前回の記事↓の中の「高校の成績証明書は卒業から5年で消滅する」という項目でも少し触れましたが、日本の法律で高校を卒業してから5年が経過すると、高校の成績証明書と調査書は永久に破棄されてしまいます。
この問題は僕にとっては死活問題でしたが、これに差し掛かるような人は、日本人ではあまりいないと思います。
というのも、日本では未だに就活の際に「新卒採用」という言葉が使われるぐらい、ブランクを開けない、ストレートで全ての階段を登るのが良いとされている風習があるので、日本の大学の学士過程に入学するほとんどの学生は23歳以下となります。
18歳で高校を卒業していれば、23歳までの5年間は、高校の成績証明書、調査書が発行できるので大学に出願する際に何の問題もありません。
ただ、ここで僕がどうしても言っておきたいことが1つあります。
これは僕みたいに20代後半になって、大学に初めて入ることを目指す多くの日本人が同感してくれることだと思いますので。
僕が言いたいのは、「皆が皆、高校を卒業してすぐに大学に行けるわけではない」ということ。
日本で文系の私立大学に通った場合の4年間の学費は約400万ほど。
理系だと500万は超えます。
それに加え、そもそも大学に通う前に多くの学生が大学入試の為に予備校に通い、予備校の年間授業料は約60〜80万、私立大一般入試の費用は約3万かかり、と上記の数字を見て、これが安い金額だと思いますか?
日本人の親御さんたちは、自分の子供達に良い教育を与えるために、真面目にコツコツ働いて貯金する人が多く素晴らしいと思いますが、頑張ってもその学費に手が届かない家庭なんてたくさんあります。
経済的に大学に行けない人もいれば、18歳の時点で大学に行く価値を見い出せない人もいます。
上記のような理由から、僕みたいに20代後半になりやっと大学に入るという夢が叶っても、この時点で「高校の成績証明書が5年で消滅ルール」が適用され、多くの大学、特に質の高い大学であれば尚さら、高校の成績証明書の提出が必須となるので、これを入手できない人はエンド・ゲームとなるわけです。
しかし!そんな僕と同じような状況に陥った方でも、まだ打つ手はあります!
今回の記事では、僕みたいに20代後半以降になってから海外で大学入学を目指す方の為に、僕が何十時間ものリサーチをこなして見つけ出した「高校の成績証明書が無くても入学できるヨーロッパの大学」をまとめました!
「大人になってからようやく海外の大学に行くことが叶った方」
「高校の成績表が失効してしまい、行ける大学がなく困っている方」
そんな方に向けた記事となるので、ぜひこの記事が海外の大学で勉強するという夢の架け橋になってくれれば光栄です。
【チェコの大学】
チェコは、ヨーロッパの中でも希少で、大学に入る際に学校の成績証明書を要さない国です。
というのも、チェコの大学は成績評価ではなく、入試、又は面接をベースとして合否を決めるので、大学側は高校の成績証明書を必要としません。
入試と言っても、チェコの大学入試は日本のものとはかなり異なります。
その理由としては、チェコの大学入試は国の中で統一化がされていないので、公立大学であっても私立大学であっても学校側の裁量で入試が作成され、難易度も、出される回答形式も、問題も全て、学校ごと、もっと言えば、学部ごとに違います。
また、学校によっては入試の代わりに面接が要されるようなところもありますし、一部の学校、学部によっては入試、面接もなく書類選考のみのところもあります。
以上の通り、チェコの大学は、学校、学部によって入試制度が全く異なってくるので、自分の勉強したい学部を絞り、早い段階でのリサーチが重要になってきます。
チェコの主要な大学リスト
- Charles University (カレル大学)世界ランク260位
- University of Chemistry and Technology Prague 世界ランク342位
- Czech Technical University in Prague(チェコ工科大学)世界ランク432位
- Masaryk University(マサリク大学)世界ランク531位
- Palacký University in Olomouc 世界ランク591位
- Brno University of Technology 世界ランク701位
- Mendel University in Brno 世界ランク701
- Technical University of Liberec 世界ランク751
- Czech University of Life Sciences Prague 世界ランク801
- University of Pardubice 世界ランク801
- Ostrava University
- Technical University of Ostrava
この記事で使用している世界ランキングは、2021年のQR世界大学ランキング(QS World University Rankings)を参照としています。
QR世界大学ランキング(QS World University Rankings)は、大学の学問的調査と、世界の何千人という学者からの評判に基づいて毎年決められる世界の大学ランキングです。
一例ですが、日本の大学はというと2021年現在、東京大学が世界で36位、東北大学201位、名古屋大学と大阪大学351位、北海道大学501位とランク付けられています。
【リトアニアの大学】
現在僕が在籍している大学は、リトアニアのヴィルニュス大学という大学なのですが、僕が出願の際に要求された書類の一覧には、高校の成績証明書(Transcript of grades)が含まれていました。
しかし、とあるリトアニアについて書かれているブログで、その日本人のブロガーの方が僕と同じく20代後半なので高校の成績証明書が手に入らなかったが、高校の卒業証明書と単位修得証明書のみでヴィルニュス大学入れたという情報を手に入れたので、僕も一か八かでアプライしてみました。
結果、最初の書類を提出した後、「追加提出書類の要求」のメッセージが来て、「高校の卒業証明書を提出してください」と言われたので、これは駄目だったなと半ば諦めかけたところ、2週間後に「条件的に合格(Conditionally Accepted)」というメッセージが届き、OKが出ました。
僕の予想では、学校側ができるだけ多くの生徒を確保したいという理由が背景にあるのではないかと思っているのですが、何はともあれ、ヴィルニュス大学は1579年に創設され、今では学校の建物そのものが世界遺産として登録されているというかなり歴史ある、リトアニアで1番大きな大学なので、僕は入学できたことにとても満足しています。
注意:
ここでリトアニアの大学を追加としておいたのは、一応リトアニアの大学では、提出書類の中に高校の卒業成績証明書が含まれているので、必ずしも僕みたいに成績証明書無しで入れるという保証はないので、そこは自己責任でお願いします。
ただ、僕と僕の見たブロガーの方、2人が成績証明書無しで入れたという事実があるので、出願してみるチャンスは大いにあるかと思います!
ヴィルニュス大学へ正規の入学方法、費用などは下記の別記事で詳しく紹介していますのでそちらを参照にしてください。
リトアニアの主要な大学リスト
- Vilnius University(ヴィルニュス大学)世界ランク423
- Vilnius Gediminas Technical University 世界ランク651
- Kaunas University of Technology 世界ランク801
- Vytautas Magnus University 世界ランク801
- Klaipeda University
- Aleksandro Stulginskio Universitetas
- ISM University of Management and Economics
- Vilniaus Kolegija University of Applied Sciences
【最後に】
日本人が海外の大学に進学と聞くと、まず思いつくのがアメリカだったり、イギリスだったり、ドイツであったり、世界でもトップの大学が集まるところでしょうから、チェコやリトアニアの大学に目を止めるような人はほとんどいないでしょう。
実は、本音を言うと、僕も本当はドイツやイギリスの大学に行きたかったです。
もちろん、僕にはイギリスに行けるような経済的余裕はなかったので、予算に収まるところで、大学費が無料のドイツや、学費が安くすむノルウェー、スペイン、ポーランド、フランスなどに行こうと考えていました。
しかし、いくら調べても、どの大学も高校の成績証明書が必須書類に含まれています!
それはそうですよね。
日本の大学に入るのだって、高校の成績証明書、日本では調査書になりますが、必ず必要とされます。
それなのに!日本では高校の成績証明書を5年しか保存してくれない!
これは日本が、23歳を超えた人は大学に入るな、と言っているように僕は受け取ってしまいます。。。
この記事から見ても分かる通り、最終学歴が高校卒業、高校の成績証明書が手に入らない、というステータスでは本当にオプションがありません。
僕はかなりの時間と労力を使い、高校の成績証明書が無くても入れる大学はないかと、必死にヨーロッパを隅から隅まで調べましたが、現在探せた国はチェコとリトアニアの2カ国のみです。
もしかしたら、まだ他にも高校の成績証明書が無くても入れるような大学があるかもしれません。
なので、そういった情報が入り次第この記事をアップデートしていきたいと思っていますが、今の所僕みたいな状況の方は、チェコかリトアニアの大学に行くのがベストな選択かと思います。
確かに、チェコやリトアニアの大学は、他のイギリスやドイツ、スイス、スウェーデンなどの国と比べると引けを感じますが、だからといって、大学で受けられる教育レベルが圧倒的に低いわけではありません。
もっと言えば、チェコとリトアニアの大学も教育基準は高いです。
日本人には知れ渡っていないだけで、実際には多くの大学が英語でのプログラムを開講していますし、高い教育レベルとローコストを求めて世界各国から学生たちが集まります。
ヨーロッパの教育レベルに関しては別記事で詳しく紹介したいと思いますが、なにはともあれ、高校の成績証明書が手に入らないからといって、海外の大学に進学する夢を諦めてはいけません!
少ないですが、まだ選択肢はあります!
リトアニアやチェコの大学の様子については、これからこのブログで少しずつアップしていこうと思っていますので、乞うご期待を!

KAI(World Map Japan 代表、マーケティング担当、ライター)
在住国:現在エストニア在住、過去カナダに5年間在住
海外歴:7年
今までに訪れた国:32カ国
話す言語:英語、スペイン語、エストニア語(勉強中)
資格:英検1級、TOEIC940
ひとこと:世界各国の全ての情報がこのサイトで閲覧できるよう日々活動していますので、どうぞ宜しくお願いします!