世界で最も乾燥しているといわれるアタカマ砂漠は、チリ北部に位置しています。
晴天であることが多く、降水量も年間を通して1㎜以下とほとんど雨が降ることがない地域です。
それは、アタカマ砂漠がアンデス山脈とチリ沿岸にある山脈のちょうど間に位置するため、太平洋からも大西洋からも湿気が届きづらい場所にあるからです。
チリに来たら必ずと言っていいほど訪れたいこのアタカマ砂漠。
そしてその観光拠点となるとは、砂漠の中心にあるSan Pedro de Atacama(サン・ペドロ・デ・アタカマ)という小さな町です。
世界的にも有名で、観光客もたくさん訪れる場所ですが、一体どんな魅力があるのでしょうか。
今回は、サン・ペドロ・デ・アタカマの見どころと行き方をご紹介します。
最古の町並みと小さな教会
サン・ペドロ・デ・アタカマの始まりは、1万1000年以上前にも遡り、サン・ペドロ文化を生み出したとされているアタカマ民族の誕生の場所と言われています。
現在もその伝統的な風情を残したまま、約4000人の人々が暮らす小さな町としてアタカマ砂漠の中心に位置していますが、多くの観光客が訪れるため、ホテルやレストラン、お土産屋さんなどが軒を連ねています。
しかし観光地化されているとは言え、道路は舗装されていませんし、建物もすべて土や粘土を使って作られたままで、まるでタイムスリップしたような気分にさせてくれます。
1時間ほどあれば一周できるような小さな町なので、のんびり歩いて散策してみるのがおすすめです。
観光客向けのお店はもちろん、ローカルなお店まで同じ通りに軒を連ねているので、その雰囲気の違いを楽しむこともできて面白いですよ。
町の中心部にある広場には小さな教会があり、その教会は地面と同じ赤土の色をしています。
私はそれまで土が材料でできた建物を見たことがなかったので、思わず中に入りたくなって足を踏み入れてみました。
外は太陽がぎらぎらで燃えるような暑さなのに、不思議とこの教会の中はひんやりと涼しく、座って身体を休めている人も多く見られました。
最古の町並み残したまま、現在でも砂漠の中心に存在し、都会の騒がしさを忘れさせてくれる、そんな魅力溢れるこのサン・ペドロ・デ・アタカマにすっかり虜になってしまいました。
現地の人たちになりきって、時間を忘れて町中をのんびりと散策し、この教会広場の木陰でゆっくりと休んでみるのがおすすめの楽しみ方です。
【アタカマ砂漠ツアー】死の谷と月の谷
サン・ペドロ・デ・アタカマの町中には、たくさんのツアー会社があり、そのほとんどはアタカマ砂漠の観光スポットに行くことのできるツアーです。
私も早速現地でツアーを申し込み、その日の夜に指定されたバス乗り場からバスに乗って出発しました。
だだっ広い砂漠にある一本道を進み続けること30分。
Valle de la muerte(死の谷)に到着します。
砂漠の中にごつごつと大きい岩が広がっているのが印象的で、大きく切り抜かれた岩と岩の間を歩き、トレッキングのように岩を上っていくこともできます。
岩山の上からは、アタカマ砂漠を見下ろすことができます。
そこから見える景色は、まるで絵に描いたような素晴らしい光景。
灼熱の太陽の下なのに、風が大きく吹いていてなぜか涼しくも感じてしまいます。
私は日本では見られないこの壮大な景色に、ただただ圧倒されてしまいました。
死の谷を歩いて満喫した後は、またバスに乗り込み、今度はValle de la luna(月の谷)へと向かいました。
その名のとおり、月面のようなごつごつとした地面がどこまでも広がっています。
ちょうどサンセット(日没)の時間に訪れるのが定番のようで、多くのツアーの参加者がカメラを構えながら、ゆっくりと落ちていく夕日に目を奪われていました。
本当に息を呑むほど美しいサンセットで、今でもはっきりと記憶に残っています。
日が沈むのを見守ったあとは、またバスに乗り込み、サン・ペドロ・デ・アタカマへと戻りました。
死の谷と月の谷は、アタカマ砂漠の定番の観光スポットでほとんどのツアーに組み込まれています。
他にも、世界一と言われるアタカマの星空を見られるツアーもあります。
私はそのツアーに申し込んだものの曇り空のためまさかの中止になってしまいました。
翌日にはサン・ペドロ・デ・アタカマを離れる予定だったので、残念ながら再度トライすることもできず・・・。
結局私は世界一の星空は見られずに終わってしまいましたが、本来であれば美しい星空が見えたはずです。
いくら晴天が多いと言っても、このようにツアー自体が中止になってしまうこともありますので、少し余裕をもって長めに滞在する予定を立てておくと良いかもしれません。
私はもう一度アタカマ砂漠を訪れる理由ができたので、いつかもう一度トライしたいと思います!
サン・ペドロ・デ・アタカマへの行き方
サン・ペドロ・デ・アタカマへの行き方は、主に2つあります。
1つ目は、サン・ペドロ・デ・アタカマから西の沿岸に約100km離れた小さな町Calama(カラマ)から入る方法です。
まずチリの首都サンティアゴから飛行機に乗ってカラマへ向かいます。
そこから陸路(バス)で1時間ほど行くとサン・ペドロ・デ・アタカマに到着します。
2つ目は、お隣の国ボリビアの観光名所ウユニ塩湖からのツアーで、そのまま国境を陸路で超えてサン・ペドロ・デ・アタカマに入る方法です。
私は2つ目の方法でサン・ペドロ・デ・アタカマに行きました。
ウユニ塩湖へ行くツアーは、ボリビアにある小さなUyuni(ウユニ)という町で予約をしたのですが、だいたいのツアーはウユニ塩湖を見てウユニの町に戻ってくるツアーか、ウユニ塩湖を見た後そのまま陸路でチリとの国境を越え、サン・ペドロ・デ・アタカマに向かうツアーのどちらかという印象でした。
ウユニ塩湖もアタカマ砂漠と同様、世界に知られる観光名所ですので、どちらも回れるツアーが観光客に人気なようです。
1つ目の方法ではツアーでなくともサン・ペドロ・デ・アタカマにたどり着けるかと思いますが、2つ目の方法ではツアーに参加することをおすすめします。
ウユニからサン・ペドロ・デ・アタカマに抜けるには、電気も通っていないような山道を2日ほどかけて進みます。
そして、時には岩山を四輪駆動の車で走り抜けていくこともあるので、ツアーでないと自力ではなかなか難しいと思います。
どちらにせよ日本から行くとなるとかなり時間のかかる行き方にはなってしまいますが、それでもアタカマ砂漠には死の谷、月の谷、そして世界一と称される星空と、見どころが盛りだくさんなので時間をかけてでも行く価値は十分あるところだと思います。
最後に
以上、アタカマ砂漠で有名なサン・ペドロ・デ・アタカマの魅力と行き方を紹介しました。
チリ最古の町並み、そして天体観測に最も適した場所とされるアタカマ砂漠は、日本とは全く異なる世界の景色です。
日本からの距離も考えると、まるで世界の果てにたどり着いたような気分になります。
訪れるには勇気も時間も必要な場所ではありますが、その分実際に素晴らしい景色を目の当たりにしたときは、何とも言えない達成感に心から感動を覚えます。
ぜひその感動を味わっていただきたいです。
チリやアタカマ砂漠を訪れたいと思っている方に、この記事が参考になりましたら嬉しいです。

神奈川県在住。大学時代にアメリカ合衆国の人種差別について研究。それをきっかけに海外移住を夢見て大学卒業後にアメリカ留学、その後カナダ、ニュージーランドにてワーキングホリデーを経験。現在は海外で出会ったチリ人の夫と1歳の息子と暮らしています。Webデザインとスペイン語を子育てしながら少しずつ勉強中。数年以内にチリに移住することを目指しています。
興味のあるジャンル:海外留学/国際結婚/環境問題/語学学習(英語・スペイン語)/Webデザイン