チリと聞くと、皆さんはまず何を思い浮かべますか?
チリ産サーモンやチリ産ワインなどは日本でもよく目にしますよね。
南アメリカ大陸の南西部にあるチリは、日本のほぼ真裏に位置します。
その距離のせいか、日本にいるとあまり馴染みのない国です。
しかし、たとえ飛行機で30時間かかっても人生で一度は訪れたい魅力がたくさんあります!
今回は、きっと皆さんが持っているチリのイメージを覆すようなチリの素晴らしい魅力をお伝えします。
Contents
国の東側に連なるアンデス山脈の美しい景色
チリは、縦の長さが約4,270km、横幅が約350kmととても細長い形をしています。
チリの東側にはアンデス山脈が連なっていて、その全長は約7,500km。
チリの東側はほぼすべてアンデス山脈です。
南米の大都会とも言われるチリの首都サンティアゴでは、ビルや住宅地などの都会の景色の後ろに、高くどーんっとそびえ立つアンデス山脈を見ることができます。
アンデス山脈の平均標高は約4,000kmもあるので、まるでその山々がすぐそばにあるかのように見え、本当に素晴らしい景色です。
サンティアゴを訪れたとき、想像していたよりも栄えていて、ビルや大きいショッピングモールが多いことに驚きましたが、その現代的な建物とアンデス山脈の自然が融合されたその景色がとても魅力的で圧倒されたのを覚えています。
魚介料理が安くて美味しい
細長いチリは、太平洋に面したとても長い海岸線を有しています。
そのため海産物が豊富で、しかも日本と比べるとお値段が安くて美味しいのが魅力です!
例えば、Erizos(エリソス)という料理にはウニがたっぷり使われています。
日本では比較的高価なウニが、チリでは安い値段でたっぷりと食べることができます。
また、サンティアゴにはMercado Cantral(中央市場)という魚介がたくさん売られている市場があり、観光客は必ずと言っていいほど訪れる有名なスポットです。
日本でもよく見かける魚介類から珍しいものまで、比較的安い値段で売られています。
市場は大きいものだけでなく、住宅地でも移動式の市場が日替わりで開かれています。
野菜や果物も山積みになって売られている景色にワクワクしたのを覚えていますが、何より驚いたのが、キッチンカーのような大きな窓が開いた車の中で鮮魚を売る人がいたことでした。
注文を受けた魚をその場でさばき、頭やしっぽの部分を切り落とし、そして骨を取る処理まで手早く行う様子に目を奪われました。
これは魚介類が食卓に良く並ぶチリだからこそ見られる景色だと思います。
南北に細長い国だからこそ色々な気候と景色が楽しめる
チリの最南端の港町Puerto Williams(プエルト・ウィリアムズ)は、「世界最南端の村」として登録されています。
Puerto Williams(プエルト・ウィリアムズ)南極に行くルートとしてチリを経由することは有名ですが、それだけにチリの南部の気温はとても低く、観光客向けの氷河を眺めるツアーや、年中氷に覆われた地域があるくらいとても寒いところです。
その一方で、チリの北側の隣国であるペルーとの国境に近づけば近づくほど、赤道に近づくので気候は暖かくなり、空気も乾燥していきます。
世界で最も乾燥していると言われるアタカマ砂漠もチリの北部に位置し、年間を通して雨が降ることはほとんどありません。
私が訪れた首都サンティアゴは、チリのちょうど中央部に位置し、気温の変化は日本に少し似ているように感じました。
南半球にあるチリは、10月から3月は夏にあたり、気温は東京と同じく35度前後が平均的ですが、大きな違いは空気が乾燥しているところです。
日本は蒸し暑いですが、サンティアゴは乾燥していて爽やかな夏で、家の中でも窓を開けていれば心地よい風が吹き抜けてエアコンがなくても快適に過ごすことができます。
チリではひとつの国でありながらまるで別の国であるかのように、北部と南部では全く違う気候と景色を楽しむことができます。
これも細長いのが特徴的なチリだからこその魅力ですね。
未だ謎に包まれた世界遺産『イースター島』
世界文化遺産に登録されているラパ・ヌイ国立公園は『イースター島』という名で知られています。
イースター島と言えば人面と身体のようなものの形をした石造「モアイ像」が有名ですよね。
実際のモアイ像の高さは、平均でも4~5メートルあり、重さは20トンほどもあると言われています。
クレーンなどの機械もないはるか昔に、モアイ像のような大きな石造がどのように作られたのか、そしてなぜ作られたのは現代でも謎のままです。
周りが海で囲まれたイースター島にそびえ立つ約900体のモアイ像は、朝日とも青空とも、そして夕日ともマッチして素晴らしい絶景を見ることができます。
イースター島はチリの領土と聞くと、てっきり本土からすぐ行けるのでは?と思ってしまいますが、実はイースター島はチリ本土から3,700kmも離れています。
所要時間はなんと飛行機でも約5時間!
しかしせっかく日本の裏側、チリまでたどり着いたのなら、思い切ってイースター島にも訪れてみたいですよね。
一生忘れられない思い出になること間違いなしですよ。
南米諸国の中では一番日本人に近い?意外にも謙虚でおとなしいチリ人
南米の人たちに、どのような印象やイメージを持っていますか?
私は南米の人は陽気で、踊るのが好きで、そしてお酒やパーティが好きであるというイメージをしていました。
しかし実際にチリを訪れて見ると、そのイメージは変わりました。
意外と、と言っては失礼かもしれませんが、おとなしい人が多い印象だったのです。
私の夫(チリ人)も、「チリでは知らない人に急に話しかけたりする人はあまりいない。」と言っていて、まさにその通りでした。
私がメキシコを訪れた際には、友人とカフェやレストランで食事をしていると、急に会話に入ってくる人もいましたが、サンティアゴでは同じような経験をしませんでした。
私の夫は「自分たちチリ人は他人に冷たいから。」と言っていましたが、私にとっては「冷たい」のではなく「他の人に気を遣っている人が多い」と感じました。
公共の場所や電車の中でも個人の空間や他の人との距離を大切にしているが印象的で、昼間であればサンティアゴの中心部を一人で歩いていても、どこか安心して落ち着いた気分になることができました。
他の南米諸国の人に比べて、チリ人はシャイな人が多いと言われていますが、本当にそのとおりで、まじめな性格もどこか日本人に似ている気がします。
日本から遠く離れた地球の真裏にある国なのに、居心地の良さを感じたのはこのチリ人の国民性が理由かもしれません。
最後に
以上、私が思うチリの魅力をご紹介しました。
海外留学先や旅行先で迷っている方は、どうせ行くなら思い切って遠くへ行ってみよう!という気持ちでチリを訪れてみて下さい。
これは私個人の感想ですが、日本の近隣の国を訪れるよりも、遠く離れたチリを訪れたときのほうが何とも言えない解放感がありました。
「地球の裏側に来たのだ!」とわくわくしていたのを覚えています。
ぜひ機会があれば訪れてみて下さいね。

神奈川県在住。大学時代にアメリカ合衆国の人種差別について研究。それをきっかけに海外移住を夢見て大学卒業後にアメリカ留学、その後カナダ、ニュージーランドにてワーキングホリデーを経験。現在は海外で出会ったチリ人の夫と1歳の息子と暮らしています。Webデザインとスペイン語を子育てしながら少しずつ勉強中。数年以内にチリに移住することを目指しています。
興味のあるジャンル:海外留学/国際結婚/環境問題/語学学習(英語・スペイン語)/Webデザイン