ディズニー映画のモアナの世界や、ハイビスカス、透き通った海をイメージさせるフィジー。
近年格安留学の候補としても上がるようになり、人気の国の一つになっていると思います。
フィジーの国の話を聞いていると、南国だよ、人があったかいよ、海がとてもきれいだよ、なんて言葉の他に「ケレケレ」という言葉を聞くことがある人もいるのではないでしょうか?
世界一幸せな国とも言われるフィジーでは、この「ケレケレ」 という文化が深く関わっています。
フィジーに行く人は必ず体験すると言ってもいい「ケレケレ」。
今回は、この「ケレケレ」 について解説していきます。
フィジー文化、ケレケレの意味とは?
「ケレケレ」 ってなに?と思う人がきっとほとんどですよね。
ケレケレとは、フィジー語の名詞で 「共有・分け与える」 という意味です。
動詞では「お願いします」 という意味があります。
英語で「Please」と同じ意味です。
なので、ケレケレ=Kelekele とは、何かを共有し、助け合うという文化です。
フィジーは昔から村単位で生活するという文化があるのですが、相手が他人だったとしても、同じ村の人あればフィジー人にとって本当の家族とほとんど同じです。
生活していく上で、困ったことや足りないものがあったらどんどん共有していきます。
惜しみなく分け与え、助け合っている様子をフィジーに行くと見ることができますよ。
また、何か困ったことがあった時にはフィジーの人に「ケレケレ」 と伝えると、気持ちよく助けてくれます。
ぜひ、言葉としても覚えてみてください!
子供も共有してしまう!?どんなケレケレがあるの?
では、実際にはどのようなケレケレがあるのでしょう?
私がフィジーの友人に聞いてみたケレケレをいくつかご紹介していきます。
子供の共有
私が一番驚いたケレケレが、子供を共有するということです。
自分の子供でなくても、人の子供を自分の子供のように育てることがあります。
自分の子供であっても、人の子供であっても、困っていたら助け合い。
本当の自分の子供のようにフィジーの人みんなで育てていきます。
私の感覚ですが、フィジーでは「家族」 という言葉をとても広い意味で使うように感じます。
そして、実際に「家族」 と言っている人たちは血が繋がっていなくても、本当の家族のように一緒に暮らしています。
また、一つの家に家族が2世帯、3世帯住んでいることも当たり前です。
家や、生活用品、家族での何かの行事、様々なものを共有しながら暮らしています。
食べ物の共有
フィジーでは食べ物もよく共有します。
先ほどご紹介したように、家や家族も共有してしまうので、人のお家に行って勝手に料理をし始めて食べてしまう!なんてこともしばしば。
日本人からしたら、自分の家に知らない人が来て、勝手にごはんを作り出し、食べ始めていたらびっくりしてしまいますよね。
しかし、そのようなことも許容することができるフィジーの人々。
心がとても広いとも感じられます。
世界一幸せな国と言われるのは、このような心の広さや、深く根付いている共有の文化が大きく関わっていることがわかります。
物の共有
フィジーに人たちは物もよく共有しますよ。
物の共有というと、日本ではペンの貸し借りほどくらいしか普段しないのではないでしょうか?
フィジーでは、雨が降って傘を持っていなかったら傘をケレケレします。
服がなかったら誰かの服を着ます。
本当はやってはいけないことだと思いますが、お金が足りなかった時にお金を共有してしまうということもあるみたいです。
日本だと悪いことになると思いますが、みんなが助け合って生きているという前提があるので、これらが許されているのかもしれません。
ただ、お金のケレケレはフィジーの人たちにとってもやはり困ってしまうことなので、管理をしっかりしているそうです。
(大らかな人が多いので、たまに管理がゆるい人たちもいます。)
私が体験したケレケレ
私自身が体験したケレケレを少しご紹介します。
フィジーのナンディを訪れていた時に観光していてお寺を訪れました。
そこにバナナがお供えしてあったのですが、お寺の人とお話ししているとなぜかそのバナナを分け与えてくれました。
また、そのお寺の人も食べ始めてみんなでケレケレを体験しました。
もう一つ、空港にいた時のこと。
空港にいると、どこからかフィジー人の人が一人、私と友達に話しかけてきました。
空港でその人も飛行機を待っていたのですが、話していると、飛行機の出発時間までお互いに時間があるということがわかりました。
飛行機の待つ時間が長いね、という話をしていると「家が近いからちょっと待っていて!」と言われたので、少し待っていました。
そうすると、家から、私と、私の友達の分、そして話していたフィジーの方3人分の缶コーヒーを持って来てくれました。
そこからはみんなで仲良く缶コーヒーを飲みながらお話タイム。
自分たちのことや、日本のこと、フィジーのことなど色々なことを話し、あっという間に飛行機の出発時間までの時間が過ぎていきました。
フィジーでは退屈な時間も一緒にケレケレすることで、楽しい時間になったり、すぐにその時間が過ぎてしまうんだ!と、少しケレケレの文化に感動しました。
最後に、タクシーのケレケレ、車のケレケレ話。
フィジーの街を歩いていると、バスやタクシーなどに乗ることがありますよね。
バスは公共交通機関で運賃も安いのですが、タクシーはいくらかお金がかかってしまうのでできれば安く抑えたいですよね。
ここでフィジーの人たちはタクシーをよくケレケレしているので、私もタクシーを乗ろうとする時にはよくケレケレしない?と言ってくれました。
私はこの時に断ってしまったのですが、フィジーでは日常に行われているケレケレの一つです。
また、タクシーだけでなく普通の一般の人が乗っている車にも、乗せていくよ!なんて声をかけてもらったことも何度かありました。
ヒッチハイクのような感じがしたので、ヒッチハイクももしかしたら簡単にできてしまうのかもしれません。
これらは、私が初めてフィジーに訪れた際のケレケレの体験談です。
みなさんも、フィジーに訪れた際にはこの食べ物のケレケレや、もしかするとタクシーのケレケレも体験できるかもしれないですね。
どんなケレケレが体験できるのか、少しワクワクしながらフィジーを訪れてみてください!
注意した方がいいことは?
このフィジー独特の文化「ケレケレ」は、様々なものを共有する素晴らしい文化ですが、日本にはない文化なのでいくつか注意しておいた方がいい点があります。
それは、自分の持ち物の管理はしっかりしようということです。
当然ですが、海外に出た際には自分の持ち物の管理は自分でしっかりとしましょう。
色々なものを共有する文化があるため、フィジーの人にとっては悪気がなく借りてしまった、なんてこともあります。
お互いに気持ちいいコミュニケーションが取れるよう気をつけましょう。
まとめ
今回はフィジーのケレケレについてご紹介しました。
フィジーに行くとこれでもか!というほど、聞く言葉であり、体験し、日常的に目にする文化なので、行く前にはぜひ知っておいてほしい文化です。
日本から海外に行くときの楽しみの一つは、日本にはない文化に触れることではないかと思います。
日本とはかなり違う文化を持っている人たちなので、最初はびっくりしてしまうかもしれませんが、慣れてくると心がちょっと広くなった気分になれますよ。
世界一幸せな国と言われるフィジーにとっての大切な文化「ケレケレ」、皆さんもぜひ経験してみてください。

高校生の時にオーストラリアへ留学、洋楽にはまったことをきっかけに大学生になったら世界中を旅すると決め、アジア、中東、アフリカを中心に19カ国を大学5年間かけてバックパッカーで旅をする。日本中もヒッチハイクで旅をしていました。
途中フィリピン留学、台湾留学を経験。多くの人が旅をするきっかけを作りたいですし、今でも私自身旅が大好き。これからも、色々な国を旅したいです。