イリノイ州の基本情報
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State of Illinois(イリノイ州)は、アメリカ中西部に位置し、その中心ともいえるのが経済都市・Chicago(シカゴ)です。
シカゴは日本でも有名な観光地の一つですが、イリノイ州で最も有名と言われるのが、州の中央部に位置するPeoria(ピオリア)という街。
このピオリアは、人種・経済・宗教などあらゆる分野の中で最もアメリカらしい平均を示す都市として知られ、「ピオリアで成功したらどこへ行っても成功する」というような格言をヴォードヴィル芸人(アメリカ版芸人)がネタとして披露するほどです。
イリノイ州の気候について
イリノイ州は、日本の北海道と九州を合わせた面積を誇り、その大部分が「冷帯温潤気候」と呼ばれる気候に属しています。
夏は湿度が高く蒸し暑い日が続くのに対し、冬は強風に加え零下になるほど寒さが厳しいのが特徴です。
また、晴天は6月から10月にかけてが最も多く、11月から3月までは乾燥する日々が続きます。
観光のベストシーズンは9月から10月にかけてとなり、秋を感じる紅葉のシーズンがおすすめ。
ただし、朝晩の気温差が激しくなる時期でもあるので、服装などで調節するといいでしょう。
風を通さない上着やインナー等、余分に持っていくのもいいですね。
イリノイ州と日本の時差
日本とイリノイ州の標準時差(正式には中部標準時;CST)は-15時間です。
イリノイ州の方が15時間遅れている計算となり、サマータイム時(中部夏時間;CDT)は-14時間となっています。
日本人にはあまり馴染みのないサマータイム制ですが、アメリカ本土は東西に広いため、通常Eastern Time(東部時間)・Central Time(中部時間)・Mountain Time(山岳部時間)・Pacific Time(太平洋時間)という4つのタイムゾーンに分かれています。
このゾーンごとに通常1時間ずつの時差が伴い、アメリカの場合サマータイム(3月の第2日曜日から11月の第1日曜日まで)の期間中はさらに1時間進む計算です。
わかりやすく言うなら、日本が午前9時の時、イリノイ州の標準時は前日の夜18時、またサマータイム時は前日の夜19時となります。
また余談になりますが例外もあり、ハワイ州にはサマータイム制がなく年中日本との時差は-19時間です。
さらに、アリゾナ州は山岳部時間に属しますが、サマータイム制を採用していないため、期間中は太平洋時間と同時間なっています。
イリノイ州の特徴
歴史
ミシシッピ川とイリノイ川流域一帯に初めて外部から足を踏み入れたのはフランス人で、この探検家によりエリア一帯がフランス支配下に入ったのは1670年代のこと。
しかし、イギリスも同地域の領有権を狙っていたため、やがてフランスとイギリスの間に領有権争い「フレンチ・インディアン戦争」が勃発します。
1754年に始まった戦争は、9年もの長い間続き、勝利したのはイギリス軍。
以後イギリスの支配下となるものの、その支配下ぶりに不満を募らせた開拓民たちは憤激をあらわにし、あの有名な独立戦争へとつながります。
長い歴史を経て1787年にはアメリカ領となり、遂に1818年、合衆国21番目の州・イリノイ州として誕生しました。
イリノイ州の発展
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イリノイ州は、アメリカ第3の都市・シカゴを中心に発展してきました。
1871年に発生した「シカゴ大火」はアメリカ史上最大の災害と言われ、当時シカゴ市内の大半が焼け野原となったのは有名な話です。
出火原因は諸説ありますが、この大火事により木造家屋が禁止となり、街全体をよみがえらせるためレンガ・鉄骨造が推奨され「摩天楼」の高層建築物の建設ラッシュが始まります。
現在もユニークな建築物が多く健在するシカゴは、アーキテクチャの宝庫としても大人気。
一方シカゴから1時間ほど車を走らせれば、一面に広がるのはトウモロコシや大豆・小麦などの大平原。
大都会からは想像もできないアメリカ有数の農業地域でもあり、近年は家電や家具などの産業も盛んとなり注目を集めています。
美術館や博物館
イリノイ州には、とりわけ世界有数の美術館・博物館が多数あります。
特に、ミシガン湖周辺には「全米三大美術館」の一つThe Art Institute of Chicago(シカゴ美術館)をはじめ、量・質共に世界に誇る美術館ばかり。
美術にはあまり興味がないという方でも館内に一歩足を踏み入れれば、教科書に載っていた名画と出会うことができます。
イリノイ州での生活
食べ物
イリノイ州、とりわけ中心となるシカゴには、たくさんのグルメがあります。
そのほとんどが手軽に味わえるストリートフードばかり。
ピザやホットドックなどのB級グルメは、侮れないほどの美味しさです。
deep-dish pizza(ディープディッシュ・ピザ)
「deep-dish pizza(ディープ・ディッシュ・ピザ)」は、俗に言うシカゴピザのこと。
通常のピザは、平らな生地の上にソース、具材、チーズの順で重ねますが、ディープ・ディッシュ・ピザは全く逆で、パイのような底厚の生地の中にたっぷりチーズを入れ、その上に具材やトマトソースを重ねて焼き上げるのが大きな特徴です。
定番の組み合わせはたっぷりチーズにトマトソース、ソーセージが一般的ですが、お店によってはパプリカ、オリーブ、ハーブなどを追加する店舗もあります。
もちろんディープ・ディッシュ・ピザだけでなく、薄焼きピザやナポリ風ピザなど定番ピザも人気となっています。
Chicago dog(シカゴ・ドック)
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「Chicago dog(シカゴ・ドック)」は、Chicago-style Hotdog(シカゴスタイル・ホットドック)、Chicago Red Hot(シカゴ・レッド・ホット)とも呼ばれ、シカゴ発祥のホットドックとして有名です。
日本人の想像するホットドックと大きく違う点は、ケチャップは一切使用せずマスタードのみで味付けされているという点です。
他にも、バンズはポピーシード入りのもの、具材には細長くカットされたピクルス・玉ねぎ・トマト・緑色に色付けされたレリッシュなどで、仕上げにセロリソルトをふりかけるというのが大きな特徴。
お店によってメインのホットドックは、ビーフ・フランクフルトでない場合もありますが、とにかくボリューム満点の一品です。
Italian beef(イタリアン・ビーフ)
「Italian beef(イタリアン・ビーフ)」もシカゴ発祥のB級グルメで、カリっと香ばしく焼き上げたフランスパンに、薄くスライスした牛肉を煮込んで挟んだサンドイッチをさします。
牛肉は香味野菜と共にスパイスの効いた煮汁で煮込まれ、仕上げにはこの煮汁を少しかけて味わう(ウェットタイプ)のが一般的です。
他にも煮汁をほとんどかけないドライタイプや、パンごと煮汁にひたひたと浸すディップタイプもあります。
イタリアン・ビーフはシカゴのホットドック店で購入でき、好みのタイプで味わうのがシカゴならではの一品です。
Baby Back Ribs(ベイビー・バックリブ)
アメリカで最もポピュラーで、老若男女問わず人気の料理と言えば「BBQリブ」。
イリノイ州・シカゴにある老舗店「Miller’s PUB(ミラーズ・パブ)」では、連日多くのお客さんが名物「Baby Back Ribs(ベイビー・バックリブ)」を求めにやってきます。
美味しさとコスパの良さが口コミで広がり、歴代シカゴ市長をはじめ著名人までもが訪れる有名店。
パブなのでビールなどのアルコール類はもちろん、ワイン、ウイスキーなどの種類も豊富です。
ベイビー・バックリブは豚のお尻の部位にある小さな「アバラ」のことで、特に肉質が柔らかくなっています。
ソースは甘辛く食欲がどんどん進む美味しさで、ビール片手に豪快にかぶりつくのもいいですね。
The Original Rainbow Cone(ザ・オリジナル・レインボーコーン)
「The Original Rainbow Cone(ザ・オリジナル・レインボーコーン)」は、イリノイ州で最も有名なアイスクリームショップです。
州内には全部で4店舗、そのうち2店舗がシカゴ市内にあり(2021年8月現在)、チョコレート、ストロベリー、パーマーハウス、ピスタチオ、オレンジシャーベットが下から順に重なった看板メニューの「レインボーコーン」は彩も鮮やか。
1926年の創業以来、看板メニューのフレーバーはそのままです。
カップやコーンのどちらかお好みでチョイスができ、他にもサンデーやケーキなどもあります。
お店の外観は、ピンクのカラフルな可愛らしい建物が特徴となっています。
物価
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イリノイ州内で最も物価の高い街は、何と言ってもシカゴです。
全米で比較してみると、カリフォルニア州・サンディエゴに次ぐ19番目に高い街となり、独身者がシカゴで暮らすと1ヶ月あたりの生活費は約2,843ドル、日本円に換算すると約312,730円(1ドル=110円)かかることになります(2021年8月現在)。
もちろんこの金額には一般的な家賃の他、お酒やタバコなどの嗜好品も含まれるため、必要のない方はもっと安くすむこともあります。
また、イリノイ州において最も物価高なものは、携帯などの通信料やタバコで、全米でも上位に位置しています。
さらにイリノイ州は、冬は劇的な寒さとなるため暖房器具などの光熱費が他の州よりも高くなるということを考慮する必要があります。
(出典:https://www.expatistan.com/cost-of-living/country/united-states )
税金について
一般的なもの
アメリカ生活において気になるのは、やはりSales Tax(日本でいう消費税)でしょう。
アメリカは州・郡・市ごとに消費税率が課せられ、全てが一律でないことが大きな特徴です。
同じ商品を購入しても、サンフランシスコとシカゴでは価格が違うということを知っておかなければなりません。
イリノイ州での一般商品に掛けられる税率は6.25%、シカゴに住んだ場合、州税・郡税・市税合わせて10.25%の税率が課せられます。
またイリノイ州では食品・薬・コンタクトレンズなどの医療品には一律1%の税率が課せられています(2021年8月現在)。
過去には一部の地域で住民の健康を鑑み、炭酸飲料・スポーツドリンク等に課せられるSoda Tax(ソーダ税)もありましたが、現在は完全廃止となっています。
(出典:https://www2.illinois.gov/rev/questionsandanswers/pages/139.aspx )
外食・レストラン
旅行者にとっても気になるレストランでの食事ですが、イリノイ州、とりわけシカゴでレストランを利用した際に課せられる税率は10.75%、とりわけミシガン湖周辺のMPEA(The Metropolitan Pier and Exposition Authority)エリアでは11.75%と高くなります(2021年8月現在)。
(出典:https://www.illinoisrestaurants.org/events/EventDetails.aspx?id=1314020 )
