カナダ

【保存版】日本からカナダの無犯罪証明書の取得+カナダのアポスティーユの付け方

ヨーロッパの多くの国では、ビザの取得の際に無犯罪証明書 (英語では、Police Check 又は Criminal Record Check) の取得が求められるのですが、その際、日本の無犯罪証明書に加えて、国によってですが、チェコなどの国では過去に住んでいた国の無犯罪証明書の提出も求められます。

その際、単に無犯罪証明書を取るだけではだめで、取得した無犯罪証明書にアポスティーユを付けなくてはなりません

「外国公文書の認証を不要とする条約(略称:認証不要条約)」(1961年10月5日のハーグ条約)に基づく付箋(=アポスティーユ)による外務省の証明のことです。

外務省HPから引用

アポスティーユの定義だけを見るとどうも堅苦しく聞こえますが、簡単に言うと、「日本の公文書を海外の機関に提出の際、その公文書は日本の公的機関で発行されたものだという証明」です。

日本はこのハーグ条約に加入しているので、日本の無犯罪証明書を取得した後は、外務省に送るだけで、早くて2日でアポスティーユを付けてもらえるので全く難しいことはないです。

 

ただし!なんとカナダはこの条約に加入していない!!

ということは?

ということは、手続きがとてもとてもややこしくなるんです。。。

インターネットでいくら「カナダの無犯罪証明書にアポスティーユを付ける方法」を検索しても、「カナダの無犯罪証明書の取得方法」や「オーストラリアの無犯罪証明書にアポスティーユを付ける方法」はいくつか出てくるのですが、カナダのアポスティーユの付け方なんて一つも上がってきません!

かなりの時間を費やし、大使館だ、仲介会社だ、外務省だの連絡をしまくり、ついに日本からカナダの無犯罪証明書を申請してアポスティーユを付けるところまでたどり着きました!

インターネットに情報が載っていないというのは、本当に本当に苦労します。

これからカナダの無犯罪証明書にアポスティーユを付けなくてはならない方に向けて、今回の記事では、日本からカナダの無犯罪証明書の申請をして、カナダのアポスティーユを付けるまでの方法を公開します!!

運良くこの記事に辿り着いた方は、いつでも手順が確認できるよう、この記事をブックマークにでも保存しておくと良いかと思います。

注意:

現在コロナの影響に伴い、通常の国際郵便サービスしか郵便局では行っていません。

通常の国際郵便には、追跡オプションを付けることができず、更にコロナの影響からどれぐらいの期間でカナダに届くかも見通しがつかない状況です。

現在の状況の中でカナダの無犯罪証明書が必要な方は、時間通常よりも何倍もの時間がかかることを頭に入れ、できるだけ早めに行動することをおすすめします。

FedExなどの海外の運送会社については各自で問い合わせてみてください。

 

カナダのアポスティーユ事情

まず初めに知っておかなくてはならないのが、カナダはハーグ条約を批准していないので、日本と同じようにアポスティーユを発行することができません。

なので、カナダではアポスティーユの代わりに、書類をオタワにある大使館が legalization (合法化) するプロセスを通すことで、アポスティーユと同等の効力を得られることができます。

しかし、ここでややこしいことなのですが、オタワにある大使館が書類を legalization (合法化) するには、まず authentication (公証) という手続きを踏まなくてはなりません。

その公証という手続きは、Global Affairs Canada という機関が請け負っています。

ここまでの説明だとまだややこしいと思うので、とても簡単な流れを下に書きます。

①RCMP(カナダ警察)から無犯罪証明書を発行してもらう

②Global Affairs Canadaで公証を付ける

③オタワにある大使館で legalization (合法化) してもらう

 

RCMPから認定された仲介会社を使う

日本からカナダの無犯罪証明書を取得する場合、RCMP(カナダ警察)から認定されている Accredited fingerprinting companies を仲介役として通さなくてはなりません。

僕は、過去に2度、ビザの取得の為に、カナダ国外からカナダの無犯罪証明書の取得が必要になり、どちらもReliability Solution というカナダ国内の仲介会社を使いました。

仲介会社とは基本的にメールで全てやり取りをすることになりますが、Reliability Solution のスタッフは皆本当に親切で、わからないことがあれば親切に説明してくれますし、返信がとても早いので、僕は Reliability Solution に依頼してよかったと思ってます。

ということで、ここの記事では Reliability Solution に依頼した際の手順で説明を進めていきます。

他にもRCMP(カナダ警察)から認められた Accredited fingerprinting companies はあるので、他の会社と比べてから決めたいと言う方は、CCRTIS-SCICTR@rcmp-grc.gc.caにメールをすると、RCMP(カナダ警察)に認定されている Accredited fingerprinting companies のリストを送ってもらえます。

詳しい詳細は、下記のRCMP(カナダ警察)のサイトで確認できます。

https://www.rcmp-grc.gc.ca/en/where-do-get-a-criminal-record-check#a3

 

補足:僕のリサーチ上、今のところ日本にはカナダのアポスティーユの代行をしてくれる会社はないので、カナダの仲介会社を使うほかありません。

 

費用

先に言っておきますが、高いです。

口が半開きするほど高いです。

たかが紙一枚の為にこんなに金がかかるなんて驚きです。

カナダの無犯罪証明書の申請から authentication (公証) 、legalization (合法化)、国際郵便での郵送まで全部セットで、僕が払った費用は$650.14、日本円で大体6万円です。

読者の皆さん、僕も同感です。。。

クレイジーな値段です。笑

たかが紙一枚にスタンプ押しただけですよ?笑

日本の無犯罪証明書の取得、外務省でアポスティーユ付けるのなんて全部無料でやってくれるのに、カナダはとてもお金を取ってきます。

この額を見たときは、僕もクレジットカード切るまで2時間ぐらいPCの前で、口半開きで「いや、払いたくない。。。」と永遠と考えていました。

でも残念ながら、ビザの取得に欠かせなかったので仕方ないです。

カナダで生活していた事を後悔したことはありませんが、さすがに紙切れ一枚のために6万払えと言われると歯がゆいです。。

アポスティーユ無しのカナダの無犯罪証明書のみの取得であれば、費用は3万円ほどになりますが、どうしてもアポスティーユの手続きは手間がかかるのでそこで追加費用がかかってしまうのです。

 

取得期間

RCMPのウェブサイトには、カナダの無犯罪証明書の発行は、犯罪歴が無ければ3日以内で発行と記載されています。

(仮に犯罪歴が見つかった場合は4ヶ月以上かかります。)

そして、アポスティーユが必要な場合は、無犯罪証明書の発行がされてから、 authentication (公証) と legalization (合法化) のプロセスが加わるので時間がかかります

僕が指紋を仲介会社に送ってから、アポスティーユ付きの無犯罪証明書が手元に来た期間は約1ヶ月でした。

仲介会社への依頼、指紋を取りに行く前の準備、指紋採取など、事前準備に加え、郵送にも時間を要するので、全て含め、2ヶ月は時間に余裕を持って手続きを進めると安心かと思います。

 

カナダ警察(RCMP)から要求される取得に必要なもの

Ensure you get the name and address of the police agency as well as the signature and name of the official taking the fingerprints. Also ensure all ten fingers are taken with black ink.

RCMPのウェブサイトより引用

  • 指紋を採取した警察署の名前、住所
  • 指紋を採取した人のサインと名前
  • 10本の指全ての指紋が黒のインクで取られていること

しかし!

ここで要求されている「指紋を採取した人のサインと名前」、要は指紋を取ってくれた警察の人からサインを貰わなくては行けないのですが、日本の警察は外国の書類にサインをすることができないのです!

ではどうすればいいのか?

これについては、カナダ大使館に連絡すると、大使館から「日本の警察、大使館は外国の書類にサインはできないと記したレター」を発行してくれますので、これを採取した指紋の書類と一緒に送付します。

カナダ大使館への連絡方法は、この記事のもう少し下の方で詳しく解説していますのでこのまま読み進めてください。

 

手順

補足:

手順はほとんど、前回の記事【完全保存版】日本からカナダの無犯罪証明書の取得方法で紹介した、アポスティーユ無しのカナダの無犯罪証明書の発行の際の手順と変わりありません。

【完全保存版】日本からカナダの無犯罪証明書の取得方法

指紋の採取をして、仲介会社に郵送してしまえば、後は向こうが全て引き受けてくれるので。

 

1,まずは仲介会社に依頼

Reliability Screening を使った際の流れを紹介します。

①まずはウェブ上で申請用紙を埋める

注意:ここでアポスティーユを必要とする方は, 「 Do you need authentication?」の欄の「Yes」にチェック入れます。

 

②費用の支払い(代金は先払い)して申請完了

③Reliability Screeningからガイドラインと、代理申請同意書が送られてくる

④代理申請同意書にサインをしてReliability Screeningに送る

 

ステップ1の流れはこんな感じです。

もしもわからないことがあれば、申請の前でもメールすると丁寧に質問に答えてくれるので、不安なことがある方は何でも質問しましょう

複雑な作業は仲介会社が全て引き受けてくれるといっても、指紋を送るまでの作業は全て自分でやらなくてはならないので、全ての手順を理解してからプロセスを始めるのがミスを侵さないためにも大事です!

 

2,カナダ大使館に連絡

仲介会社に依頼をしたら、次は日本にあるカナダ大使館に無犯罪証明書の発行が必要とのことを連絡をします。

下記のようにカナダ大使館にメールをすると、「日本の警察、大使館は外国の書類にサインはできないと記したレター」と「RCMP の C-216C form」を送ってくれます。

僕は、メールした翌日には書類が届いていました。

題名:無犯罪証明書リクエスト

1,無犯罪証明書リクエスト
2,目的:       (例、カナダの学生ビザの申請)
3,フルネーム:(パスポートの綴と同じようにローマ字で)
4,国籍:       (例、日本国籍)
5,生年月日:
6,電話番号:
7,住所:(郵便番号から)

 

・「日本の警察、大使館は外国の書類にサインはできないと記したレター」の実物はこれです。

 

3,最寄りの警察署に連絡

最寄りの警察署に、カナダの無犯罪証明書の申請のために指紋を取ってもらいたいとのことを事前に電話しましょう。

僕は千葉県民なので千葉県警察で指紋採取しましたが、事前に電話での予約が必要でした

海外の無犯罪証明書の申請と言うと、電話に出た人によっては日本の無犯罪証明書とこんがらがって、いまいちピンとこずに話がスムーズに進まないかもしれませんが、日本の無犯罪証明書ではなく、「カナダの無犯罪証明書の為の指紋採取を手伝ってもらいたい」とのことを根気強く説明しましょう。

指紋採取の紙は、警察署の紙を使うのか、大使館から送ってもらったRCMP の C-216C formを使うのか、仲介会社の支持に従いましょう。

補足:

日本では、公式に海外の無犯罪証明書取得のための指紋採取サービスを行っているのではなく、あくまでも「手伝い」として警察署で指紋を取ってくれます。

なので、指紋採取の書類に警察からサインをもらうことはできません

 

4,警察署で指紋採取

電話で予約を取った後は、警察署で指紋採取を取りに行きます。

鑑識課の方がやってくれるのですが、さすがプロ、こちらは何もせずともスムーズにこなしてくれます。

僕は千葉県民なので千葉県警察で指紋採取したのですが、電話で訪ねた時からとても親切に受け答えしてくださり、指紋採取のときも、僕は無くしたときようの為に2枚お願いしたので、何やかんやで20分以上かかったのですが最初から最後までとても親切にこなしてくれました。

向こうはあくまでも手伝いとして、無料で指紋を取ってくれているのにこんなに親切に受け答えしてもらえると、日本にはまだまだ良い人がいるものだなーと少し嬉しくなりました。

(東京人は冷たいので。笑)

↓これが警察署で貰ったフォームに指紋を取ったときの見本

↓これがRCMP の C-216C form に指紋を取ったときの見本

 

5,採取した指紋を仲介会社に送る

指紋の採取が終わった後は、指紋を取った紙と、カナダ大使館から送られてきた「日本の警察、大使館は外国の書類にサインはできないと記したレター」を仲介会社に送るだけです。

後の複雑な手続きは全て仲介会社がやってくれるので、後は結果が届くのを待つだけです。

郵送した指紋が届いた、指紋をRCMPに送った、今大使館に書類を届けた、など仲介会社の Reliability Solution 逐一連絡をもらいました。

 

最後に

カナダの無犯罪証明書にアポスティーユを付けるプロセスは複雑ですが、有力な情報さえ手に入り、仲介会社にさえ依頼してしまえば、思っているほど難しくはありません。

指紋を取って仲介会社に送れば、後は向こうが全てやってくれるので。

とはいっても、時間はかかりますし、費用は馬鹿みたいに高いし、できれば二度とこの書類の取得が必要とならないことを僕は密かに願っています。笑

本当にこの「日本からカナダの無犯罪証明書を申請してアポスティーユを付ける」までの情報がインターネット上には無く、何よりも僕は情報を集めるのが一番苦労しました。

僕の知っている情報は全てこの記事にまとめたので、これからカナダの無犯罪証明書にアポスティーユを付ける必要がある方の力に少しでもなってくれれば幸いです。

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