カナダでメンズ保育士として5年間働いていたWorld Map Japan代表のKAIです。
カナダは日本人にも人気の留学先の1つで、カナダで保育士として働きたいという日本人もたくさん来ます。
ただ残念なことに、未だカナダの保育士に関して日本語で閲覧できる情報はとても少ない状況です。
これからカナダで保育士を目指す日本人の力に少しでもなれればという思いで、僕の知っている限りの情報、体験談、アドバイスをこの【カナダ保育士ガイド】としてまとめました。
【カナダ保育士ガイド】第6章は、保育現場の実際の様子についてです。
【カナダ保育士ガイド】は完全保存版のコンプリートガイドで、第1章から第7章まであります。
まだ5章をチェックしていない方はこちらからどうぞ。
補足:
僕はブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバーで保育士免許を取って働いていたので、この記事では主にブリティッシュ・コロンビア州をベースとして話を進めていきます。
【移民と多様性】
カナダは世界一の移民国家で、国民の4人に1人が他の国から移住してきた移民です。
町中を歩いていると様々な人種の人がいます。
それは教育現場でも同じで、子どもたちの人種、母国語も様々です。
親が中国人で中国語しか話せない子供も保育園、幼稚園に通い始めますし、母親と父親の国籍が違ったり、同性愛の親であったり、日本では見かけることのできない多様性がカナダにはあります。
カナダであっても地域によっては同じ人種の人が多く集まったりし、インド人の多く住む地域ではクラスの子供のほとんどがインド人だったり、中国人の集まるところではクラスの子供全員が中国人であることもあったりします。
【子供が英語を話すとは限らない】
カナダだからと言って、学校に通う子供が皆必ず英語を話すとは限りません。
移民国家のカナダでは多くの人が2言語を話します。
中には3言語、4言語使いこなす人も珍しくありません。
僕の日本人の友達の子供は、5歳の時点で日本語、英語、フランス語を使いこなしていました。
家庭によっては家では親の母国語だけでしか話さず、英語は学校でしか学ばないという家庭もとてもたくさんありますし、子供だけではなく親も英語を話せないというケースもあります。
例えば、過去に僕が働いていたデイケアではロシアから来たばかりの家族が来ました。
父親の方は英語が話せますが仕事で忙しく学校に顔を出せる日はほとんどなく、母親と子供はロシア語でしかコミュニケーションが取れません。
子供は初日から慣れない英語環境の為に泣きわめきます。
カナダの学校は英語でコミュニケーションが取れないからという理由で子供をリジェクト(受け入れを拒否する)することは絶対にしません。
この時に僕たち先生が取った行動とは、ロシアの文化を知ることからです。
インターネットでロシアの事について調べ、ロシア語の基本的な挨拶などの言葉を学び、図書館でロシアの絵本を見つけて、子供の立場に立ってコミュニケーションを図りました。
その結果、徐々にその子の信頼を得て、徐々に笑顔を見る機会が増え、英語での会話もできるようになっていきました。
このようなシチュエーションは頻繁に起こり、ロシア人だけではありません。
中国人であったり、インド人であったり、時には聞いたこともない国から来た人たちもいます。
英語を全く話すことのできない子供に1から英語を教えていくのもカナダの幼児教育者の仕事です。
【働きやすい仕事環境】
カナダでは残業をする文化はありません。
たとえちょっとの時間であってもそれは自分の大事な時間なので、1分でも2分でも残業をしたらきちんと残業代が出ます。
特に日本人や韓国人は残業をするというのが身にしみているらしく、時間になっても帰らずに他の先生から「もう時間でしょ?帰らないの?」とよく言われているのを目にしました。
時間ピッタリに変える文化なので、一日8時間働いた後にセカンドライフが持てるのがカナダライフです。
夏になると多くの人が仕事の後にビーチに行ってのんびりしたり、サイクリングやハイキングをしたり、ジムやヨガなどのクラスに通ったり、仕事だけで1日が終わりません。
皆仕事以外に趣味や楽しみを持っています。
それに加えカナダでは有給制度も整っています。
一年で3週間ほど有給が取れ、それを消費するのが普通です。
1ヶ月メキシコやハワイに旅行に行ったり、僕の働いていたデイケアでは結婚式とハネムーンで2ヶ月半休みを取っている人がいました。
有給を使うというのは働く人の権利なので、自由に使って構いません。
よく日本だと有給でも仕事を休むのに必ず真面目な説得力のある理由が必要で、「家でゴロゴロするから有給を取る。」なんて絶対言えないですよね?
カナダでは言えます。
仕事が疲れたから週の真ん中に有給を取って家でくつろぐのも自分の勝手です。
【カナダは子育ての味方】
有給制度に加え、カナダでは育児休暇の制度が整っており、最高で1年半まで育児休暇が取れフルではないですが給料の3割ほどが支給されます。
そして、カナダの子育てでのメリットは育児休暇だけでなく、男性の育児参加もあります。
カナダでは男性が育児休暇を取り家で子供を見る家庭も多く、学校では子供の送り迎えに来る半分は父親です。
「男性は働いて、女性は家で子育て」なんて概念はありません。
男性も女性も平等に子育てに参加します。
【どれだけの英語力が必要?】
よく質問で「カナダで保育士として働くのにどれだけの英語力が必要か?」とよく聞かれるのですが、率直に答えると「カナダで保育士として働くための英語力に最低ラインはありません」。
今までいくつもの保育園、幼稚園を見てきましたが、英語が全然できない先生たちも数多くいました。
本当にこっちが何を言っているのか3割ぐらいしか分かってない先生と働いたこともあります。
カナダは移民国家というだけあって、英語ができないことに理解がある親がとても多く、多少英語がおぼつかなくても何も言われません。
その外国人に対する寛容さはカナダの素晴らしい点の1つです。
ただ、だからといって英語を必死に勉強せずカタコトのままで現場で子供を見ていって良いのかと言われると、僕は反対です。
幼児教育というのは人間の成長過程においてとても大事なステージです。
幼児教育者の教育によって子供の人生が大きく変わってきます。
それだけ大きな責任を負うわけですから、最低限の英語レベルでいいとは言わずに、何年かかっとしてもできるだけの努力を積んで英語を自分のベストに持っていくのが教育者の責任の1つではないかと思います。
僕が昔働いていた保育園で、英語が全然できない韓国人の先生を見たことがあります。
彼女の英語は、「英語力が低い」というよりも、「ひどい」の方が正しいです。
アクセントは完全に韓国なまりで、正しい発音ができていなさすぎて何を言っているか全然聞き取れません。
その先生が子供に何か教えても子供は何を言っているか分かっていません。
彼女は学校の校長に何度か英語について指摘を受けていましたが、そもそも英語の理解力が低すぎてイマイチ指摘を指摘として理解できたのかも定かではありません。
さすがの英語力の酷さに子供の親からも苦情を受けていました。
その後僕が辞めた後、彼女がどうなったのか正確には知りませんが、噂では解雇になったのでは?と聞いています。
もしも自分の子供がデイケアに通うとして、英語力が酷すぎて何を言っているかわからないような先生の元に、可愛い自分の子供を毎日送りたいでしょうか?
言語の習得というのは何年も何十年もかかるような長い道のりです。
子供のためにも、できる限りの努力を積んで英語力を高めていくのが教育者としての責任だと僕は思います。
僕も今ではネイティブとほとんど変わらないレベルまで英語を上達することができましたが、それは今までの努力があったからだと思っています。
毎日分からない単語などが日常であれば必ず辞書を引きましたし、英語を学ぶことをストップしたことはありません。
【教育者は生涯学習者であること】
「Educators are lifelong learners.」という言葉があります。
日本語で訳すと「教育者は生涯学習者」。
時代が変わるに連れて教育も変わってきます。
良い教育者というのは生涯学習を怠らない先生の事を言います。
学校を卒業したからといってそこで学習を止めてはいけません。
私たちがネイティブであろうと外国人であろうと、学ぶこといくらでもあります。
カナダでは数年ごとに保育士免許を更新しなくてはいけないのですが、その条件としてワークショップに50時間以上参加したかが問われます。
毎週のようにコミュニティーセンターや学校などで、色々な教育者がワークショップなどを開催し教育者に学習の場を提供しています。
↓【カナダ保育士ガイド】記事一覧↓
【カナダ保育士ガイド】⑦現場で上手くやって行くために知っておいて欲しい事
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KAI(World Map Japan 代表、マーケティング担当、ライター)
在住国:現在エストニア在住、過去カナダに5年間在住
海外歴:7年
今までに訪れた国:32カ国
話す言語:英語、スペイン語、エストニア語(勉強中)
資格:英検1級、TOEIC940
ひとこと:世界各国の全ての情報がこのサイトで閲覧できるよう日々活動していますので、どうぞ宜しくお願いします!