カナダ

【カナダ保育士ガイド】④保育士の就活

カナダでメンズ保育士として5年間働いていたWorld Map Japan代表のKAIです。

カナダは日本人にも人気の留学先の1つで、カナダで保育士として働きたいという日本人もたくさん来ます。

ただ残念なことに、未だカナダの保育士に関して日本語で閲覧できる情報はとても少ない状況です。

これからカナダで保育士を目指す日本人の力に少しでもなれればという思いで、僕の知っている限りの情報、体験談、アドバイスをこの【カナダ保育士ガイド】としてまとめました。

【カナダ保育士ガイド】第4章は、保育士の就活について紹介します。

【カナダ保育士ガイド】は完全保存版のコンプリートガイドで、第1章から第7章まであります。

 

まだ3章をチェックしていない方はこちらからどうぞ。

【カナダ保育士ガイド】③カナダで保育士になるために通う学校の選び方

 

補足:

僕はブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバーで保育士免許を取って働いていたので、この記事では主にブリティッシュ・コロンビア州をベースとして話を進めていきます。

 

【就活はいつから始まる?】

就活のタイミングは1年のコースに行くのか、2年以上のコースに行くかによって変わってきますが、基本は全体のプログラムの最後にプラクティカム(実習)が組まれており、多くの学生はそのプラクティカムの期間に就職先を見つけます

 

【就職先の見つけ方】

カナダでの就職は、幼児教育現場においてもコネクションが特に大事になってきます。

コネクションはマストです。

では「コネクションはどこで作るのか?

それはボランティアやサブ(非常勤のポジション)としてデイケアや幼稚園で働き始めることです。

ウェブサイトなどの求人サイトから申し込み、面接をして仕事を獲得する方法ももちろん主流ですが、多くの学生は実習先かボランティア先で卒業後に仕事を得ています。

学校によっては自分で実習先の希望が出せるので、働き口がありそうなところなどを友達などから聞いてそこにチャンスを求めて実習に行くこともあれば、同じように雇って貰えそうなところでボランティアを始めて、そこでオファーが来るのを期待する人も多いです。

 

【保育士の仕事が掲載されている求人サイト】

・ECEBC(ブリティッシュ・コロンビア州のみ)

https://www.ecebc.ca/job_postings/search

 

・Work BC(ブリティッシュ・コロンビア州のみ)

https://www.workbc.ca/careers/4214

 

・aeceo(オンタリオ州のみ)

https://www.aeceo.ca/tags/jobs

 

・indeed(カナダ全土)

https://ca.indeed.com/Ece-jobs-in-British-Columbia

 

・Workopolis(カナダ全土)

https://www.workopolis.com/jobsearch/early-childhood-education-jobs/british-columbia-canada

 

・WOWjobs(カナダ全土)

https://www.wowjobs.ca/BrowseResults.aspx?q=ECE&s=r&l=ON

 

【コネクションとRecommendation Letter】

日本ではあまりコネクションがキャリアにおいて重要とは聞きませんが、カナダでは必須です。

なぜコネクションがそこまで大事なのか?

色々な理由がありますが、1つ具体例を上げると、Recommendation Letterです。

Recommendation Letterとは推薦状のことです。

カナダで就職する際には、基本的にこの Recommendation Letter というのが、どの仕事に就こうとしても必須になります。

保育園、幼稚園で働こうといった時に、仕事のオファーをもらっても、自分で求人に応募しても、自分の事を知っていって推薦してくれる人からRecommendation Letterを貰い雇用主に提出しなくてはなりません。

この「自分を推薦してくれる人」は友達や家族ではだめです。

基本的には前雇い主とか、仕事場での同僚だとか、自分の仕事面を知っているプロフェッショナルな関係にある人でなければなりません。

でも私達日本人が異国の地に来て、学校を卒業しただけではそんな自分を推薦してくれる人なんていませんよね?

そこで大事になるのが、無給でもボランティアから始めることです。

ボランティアをしばらくやれば、そこの先生たちか学校長からRecommendation Letterを書いてもらえます。

実習先でもいいのですが、実習先は学校側にお願いされて実習の生徒を受け入れている形なので、もしかしたらRecommendation Letterを書いてもらえないかもしれません。

ただ人の良いところでは快くOKしてくれるので、聞いてみる価値は大いにあります!

要はコネクションを作っておかないと仕事先を見つけてもRecommendation Letterが手に入らないのです。

 

あとコネクションを作っておいた方が良い点は、情報交換ができたり、仕事のオファーが貰えたり、就活に繋がったりすることです。

例えばボランティア先の先生たちはどこか人を探している仕事場を知っているかもしれませんし、どこが良いデイケア、幼稚園で、どこが良くないのかとかも教えてくれたりします。

 

【就職の際に気をつけるべきポイント】

1,スポンサーになってくれる就職先を見つけること

もし就労ビザの取得が必要な場合、スポンサーになってくれる雇用主を探す必要があります。

どこのデイケア、幼稚園もスポンサーになってくれるわけではないので、面接の際か、オファーを貰った時に雇用主に確認しなくてはなりません。

ファミリーデイケア(家で開くデイケア)では小規模過ぎて就労ビザをサポートしてくれるところは極端に少ないので、基本的には大きな規模の学校に就職することになります。

 

2,自分に合った就職先を見つけること

このブログでは綺麗事だけを並べずに、ありのままの情報を発信することをモットーとしているので、ここの項目に関しては僕の知っている正直な話をします。

就職の際に気をつけてもらいたいことは、良いデイケア、幼稚園と、良くないところを見極めることです!

良くない学校とは、ルールを守っていないモラルのない学校のことです。

例をあげますと、子供が先生の不注意で怪我をしたのに親には全て子供の責任と伝えたり、子供を乱暴に扱ったり、子供をひたすら怒鳴ることしかできない先生がいたり、子供のことを最優先に考えず自分の都合しか考えなかったり、お金の為だけに保育をビジネスとして規定以上の生徒をクラスに放り込んだり、言い出したらきりがないです。

「え?カナダなのに?」と思うかもしれませんが、これが現実です。

実際に表向きは、子供の親の前や監査の時だけニコニコ良い顔をして裏ではひどいことをしている先生たちが現場にはいます。

僕の経験上、問題は先生よりも雇う側、学校を運営する側にあると思っています。

なので、そういうひどい学校にひどい先生たちが集まり、良い学校には良い先生たちが集まります。

もちろんそういったひどい学校を僕も許せません。

そのような正論を抱える現場の先生たちはたくさんいます。

ただ残念ながら、この保育という現場では間違っていることは間違っていると声を挙げられる人はほとんどいないです。

理由は2つ。

1つは男性の割合の低さ。

2つ目は、カナダの保育現場では働く多くの先生が外国人、つまり私達みたいに日本人で雇用をもらい就労ビザを発行してもらって生きているので立場的にとても不利です。

 

話は長くなってしまいましたが、僕が言いたいことは、自分に合った就職先を見つけて欲しいということです。

もし就労ビザを出してもらうのであれば、永住権が取れるまで、最近では永住権の条件が厳しくなってきているので、大体2年以上は同じ職場で働くことになるでしょう。

もし働き初めて職場が自分に合わずに毎日働くことがストレスになってしまうと、2年以上働き続けることはとても辛いことです。

就労ビザでは決められた雇用主の元でしか働けませんので簡単に転職なんてできません。

 

【就労ビザの取得】

1,費用

まずは就労ビザの取得にはかなりの費用がかかります。

何に費用がかかるかというと、ビザ取得のサポートを手伝ってくれる移民コンサルタントの費用です。

就労ビザのサポートだと、相場は$3,000~$4,000ほど、日本円で30万以上。

そこから申請料とLMIAの費用が$1,000加わってトータル40万から50万ほどかかります。

(LMIAの費用$1,000については次の項目で詳しく説明しますのでまずは読み続けてください。)

そしてその高額な就労ビザは最高で2年間しか出ないので、2年ごとにまた就労ビザを更新しなくてはいけません。

 

2,取得にかかる時間

そして何よりも、就労ビザの取得にはとても時間がかかります。

まずは労働ビザの手伝いをしてくれる移民コンサルタントか弁護士を探すところから始まり、そしてその後色々な書類集めと手続きで、大体3,4ヶ月、長いと半年、もし手続きなどに問題があると1年とかかかってしまいます。

 

3,100%ビザが降りるわけではない

就労ビザの取得は聞くところによると年々厳しくなってきているらしく、僕の移民コンサルタントにも言われましたが、申請したからといって100%取れるとは限らないそうです。

9割型大丈夫ですが、10割取れるわけではないです。

スポンサーになってくれる就職先を見つけたけれど、就労ビザが降りなくて止むを得ず帰国していった人もいます。

 

【LMIAの費用$1,000】

さてここで LMIAの費用について解説していきます。

この情報をネットで発信するのはきっと僕が初めてだと思うのでここに辿り着いた人はラッキーです。

まず「LMIAとは何か?

LMIAとは、就労ビザの取得の際には必ず通らなければいけないプロセスです。

LMIAとは Labor Market Impact Assessment の頭文字を取ったもので、日本語で訳すと「外国人を雇うことでカナダの雇用市場へ悪影響が出ないかの審査」です。

簡単に言うと、カナダ政府はローカルのカナダ人の雇用を守らなくてはならず、雇用者が外国人を雇う時にカナダ政府がその仕事が外国人にしかできないものなのか審査し、政府が大丈夫だと判断を下せばプロセス通過となり、就労ビザの申請ができます。

LMIAの審査には雇用者側に色々な条件があるのですが、そこの説明はあまり専門チックすぎるのでここでは飛ばすとして、私達が知っておかなくてはならないのは、LMIAの審査費用が$1,000かかるということ。

ですがこの$1,000という費用、本当は「雇用者側が負担する」。

これがカナダ政府から雇用者側に指定されている条件なのですが、これを守らない雇用主が多い

とても多くのケースが、雇用者側が審査費用の約10万を労働者に負担させています!

僕の周りのほとんどの保育士友達が移民コンサルタント費用の30万〜40万に加えて、この10万も自分で負担しています。

なので余計に就労ビザの費用が高額になるのです。

これが幼児教育の現場では暗黙の了解みたいになっていて、最初からこの10万を払うものだと思って皆就労ビザの取得に望んでいます。

 

僕も就職先を見つけた時に、10万円を自己負担してと言われました。

でも僕はそこで素直にYesとは言わず、「でも政府は雇用主が負担すると言っているよ。」と言い返します。

するとボスは「私も知っているわ。でもここのオーナーが今まで一度も払ったことがないのよ。」と言います。

僕の働いていたところはボスとオーナーがいて、最終決定権は経営者のオーナーにありました。

そこで僕はもうひと押し「一応オーナーに聞いてみてくれない?」と聞くと、ダメ元でオーナーに聞いてくれると言います。

翌日ボスが「やっぱりオーナーは頭が固いからだめよ。」と言ってきたので、僕はまだ引き下がらず「でも考えてみてよ。僕はこれだけ仕事ができて、それもこの学校では一人目の男の保育士で、$1,000なんてこれから僕が2年間働くとしたら月々$40ぐらいにしかならないんだよ?月々$40で僕を2年間キープできるんだったら安いものなんじゃない?」とかなり強気で押しました。

するとボスは「私がオーナーだったら絶対に払うわよ。でもオーナーがケチだし前例がないから。。。」と言い考え始めます。

しばらく考えた後ボスが「分かった。最終手段を使うわ。ボスには内緒で学校のクレジットカードで切って、後でボスに何か言われたら間違えて払っちゃったって言っとくから安心して。」と、10万円負担してくれることを了承してくれました。

ボスはとても良い人で僕もとても信頼していましたし、向こうも僕の事を信頼してくれていました。

ボスに迷惑は掛けたくないのでどこの学校で僕が働いていたかは公表できませんが、僕がしたことは「交渉」です。

カナダでは面接の際に自分がいくら給料を貰いたいか、昇給なども自分で交渉していくのが主流です。

「自分が周りより仕事ができている」、「会社の貢献に多いに役に立っている」、「自分はもっと高い給料をもらうべきだ」と考えれば自分でボスと交渉します。

交渉で大事なのは、自分を高く売ることです。

例えば、「自分はまだまだ仕事ができていないけどこれからもっと頑張るから給料上げてください。」では絶対ダメです。

弱気過ぎて自分のスキルをアピールできていません。

交渉では強気で出て、僕が実際に言ったみたいに「私は仕事ができて、私以上に役に立つ人は見つからないよ!」ぐらいの勢いで言わないとだめです。

そもそもLMIAに関して言えば、向こうが払うのがルールなんですから、僕がやったことは正しいです。

確かに「$1,000払いたくないなら辞めてもらっていいから。」と言われてしまい、せっかくの就労ビザを出してくれるスポンサー獲得のチャンスを逃してしまうリスクがあるので、僕は絶対に交渉したほうがいいとは言いません。

ただ、僕みたいに交渉が上手くいったケースがあるので、交渉する価値はあります!

上手く行けば10万払わなくてすみます。

ただし、僕は責任が取れないのでそこの判断は自己責任でお願いします。

 

【最後に】

就労ビザに関しては早めに知識を付けておき、予め計画を持って就活に望むことが大事です。

そうすることによって就労ビザに伴うリスクを最小限に減らし、就労ビザの取得をスムーズに勧めることができます。

僕の体験談とアドバイスが少しでもこれからカナダで保育士として就活していく人の参考になれば幸いです。

 

↓【カナダ保育士ガイド】記事一覧↓

【カナダ保育士ガイド】①資格の種類・免許書換え

【カナダ保育士ガイド】②保育士資格が無くても働ける

【カナダ保育士ガイド】③学校の選び方

【カナダ保育士ガイド】④保育士の就活

【カナダ保育士ガイド】⑤ボランティアの見つけ方

【カナダ保育士ガイド】⑥現場の様子

【カナダ保育士ガイド】⑦現場で上手くやって行くために知っておいて欲しい事

 

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