カナダでメンズ保育士として5年間働いていたWorld Map Japan代表のKAIです。
カナダは日本人にも人気の留学先の1つで、カナダで保育士として働きたいという日本人もたくさん来ます。
ただ残念なことに、未だカナダの保育士に関して日本語で閲覧できる情報はとても少ない状況です。
これからカナダで保育士を目指す日本人の力に少しでもなれればという思いで、僕の知っている限りの情報、体験談、アドバイスをこの【カナダ保育士ガイド】としてまとめました。
【カナダ保育士ガイド】第3章は、カナダで保育士になるために通う学校の選び方についてです。
【カナダ保育士ガイド】は完全保存版のコンプリートガイドで、第1章から第7章まであります。
まだ2章をチェックしていない方はこちらからどうぞ。
補足:
僕はブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバーで保育士免許を取って働いていたので、この記事では主にブリティッシュ・コロンビア州をベースとして話を進めていきます。
【公立に行くか、私立に行くか】
「さて、いざカナダに行って保育士になろう!」といった時にまず考えなくてはいけないのは学校選び。
(免許書き換えをする人を除いて。)
ここの公立に行くのか、私立に行くのかはとても重要です!
理由は、公立の学校を卒業するとポストグラジュエーションビザ(通称:ポスグラビザ)という就労ビザが取得できるからです!
さて、「なぜそのビザがそこまで重要なのか?」
その理由は2つ。
1,学校の卒業後すぐに労働ビザのスポンサーになってくれる雇い主を探さなくていい。
2,ポスグラは自由度が高い。
ポスグラがあるとないとでは天と地の差になってきます。
具体例を使ってもっと詳しくこの点を解説していきますね。
まず、あなたが保育士になるためにカナダの私立学校に1年、学生ビザで通ったとします。
もしあなたが学校卒業後にカナダのワーホリビザをまだ取得できればラッキーです。
カナダのワーホリビザは自分で申請すれば大した費用はかからず、取得後学生ビザが切れても1年間好きな雇い主のところで働けます。
ただもしあなたにワーホリビザという手段が残っていないとすると、あなたは学校を卒業後すぐに労働ビザのスポンサーになってくれる雇い主を探さなくてはなりません。
卒業後と言いましたが、理想は卒業前の学生の間に就活をしてスポンサーになってくれる職場を見つけておいたほうがいいです。
学生ビザは学校の卒業後大体3ヶ月から4ヶ月で切れてしまいます。
僕の場合は3ヶ月だけ猶予が貰えました。
その3ヶ月から4ヶ月の間に就活はできなくはないですが、時間に余裕がありません。
そして何よりも、就労ビザの取得にはとても時間がかかります。
まずは労働ビザの手伝いをしてくれる移民コンサルタントか弁護士を探すところから始まり、そしてその後色々な書類と手続きで、大体3,4ヶ月、長いと半年、もし手続きなどに問題があると1年とかかかってしまいます。
労働ビザの取得は聞くところによると年々厳しくなってきているらしく、僕の移民コンサルタントにも言われましたが100%取れるとは限らないそうです。
9割型大丈夫ですが、10割取れるわけではないです。
スポンサーになってくれる就職先を見つけたけれど就労ビザが降りなくて止むを得ず帰国していった人もいます。
なのでもしポスグラかワーホリビザがあれば、最低でも1年間労働ビザの申請に時間を取る余裕があるということです。
【ポスグラビザ>就労ビザ】
僕の失敗談をベースにした個人的なアドバイスですが、もしできることであれば公立の学校に2年以上通ってポスグラのビザを3年間取った方が良いです。
理由は就労ビザ取得のリスクがなくなるのと、その後の永住権の近道になるからです。
確かに私立の学校であれば1年通うだけで保育士になれるのに、公立の大学か短大に2年間以上通うというのは、倍以上の学費になってしまうので経済的な負担が出てきます。
ただですね、実は私立の学校を出てスポンサーになってくれる就職先を見つけたとしても、就労ビザの取得にはかなりのお金がかかってくるんです!
何が高いかというと、移民コンサルタントの費用です。
労働ビザのサポートだと、相場は$3,000~$4,000ほど、日本円で30万以上。
そこから申請料だとか何やかんやかかってきて、40万~50万ほどかかります。
そしてその高額な就労ビザは最高で2年間しか出ないので、2年ごとにまた就労ビザを更新しなくてはいけません。
就労ビザの費用は1年間の学費の半分近くになってきます。
なので、もしカナダの永住権を取得することを視野に入れているのであれば、公立学校に行って、できれば幼児教育の学士を取り、その後3年間のポスグラビザで働きながら永住権を目指した方が将来的に永住権が確実になってくるかと思います。
カナダでは、学歴、職歴、英語レベルが高い人から永住権が取れるシステムになっている影響もあり、一昔前と比べると永住権の取得は近年厳しくなってきています。
【ブリティッシュ・コロンビア州でポスグラビザが取れる公立学校一覧】
ポストグラジュエーションビザはカナダ政府指定の学校を出ることが条件です。
↓BC州でポスグラビザが取れる公立学校↓
ランガラ・カレッジ(Langara College)
バンクーバー・コミュニティ・カレッジ(Vancouver Community College)
キャピラノ大学(Capilano University)
ブリティッシュコロンビア工科大学(BCIT: British Columbia Institute of Technology)
ダグラス・カレッジ(Douglas College)
カモーソン・カレッジ(Camosun College)
【私立学校のメリット】
公立学校に行くメリットは高いですが、私立学校の専門学校に行き保育士になるメリットもあります!
・最短で1年で卒業し保育士の免許が取れるので学費が安く抑えられる。
やはり最短ルートでスキルを身に着けられるのが専門学校の利点です。
・授業の質が良い。
・就活のサポートがしっかりしている。
専門学校は仕事を手に入れる為に行くところなので学校側の就活サポートが手厚いです。
・専門学校の強みは実習経験。
今まで僕が働いてきたデイケアはどこも、大半の先生は専門学校卒業生。
なので現場で活躍する先生たちが専門出身というのは納得が行くのですが、先生たちの間では大学出身の先生たちはあまり役に立たないという噂があったりします。
理由は、実習の質の違いです。
僕の通っていた専門学校は実習がとても大変で厳しかったです。
3ヶ月間毎日8時間現場で実習を積みながら、週末は大量の課題に追われ、とにかく忙しかったです!
そのおかげで皆実習が終われば現場で何をしたらいいのか分かって卒業できます。
ただ公立の学校から来る実習生は何をしているかと言うと、ただ立っているだけで子供とクラスの観察しかしていません。
特に働きません。
まあ僕も全ての公立学校から来る学生を1人1人見たことがないので学校によってはちゃんとやっているのでしょうが、1つ言えることは、私立の専門学校の1番の強みは実習(英語ではPracticum)です。
結局どれだけ授業で理論を頭に入れたとしても、現場で状況に応じて柔軟に対応して行けなくては現場では役に立ちません。
【最後に】
公立の大きなメリットを長々と紹介しましたが、必ず公立の学校に行かないといけないわけではありません。
実際僕の周りでも公立学校に行って保育士になった人は殆ど見かけたことがありません。
多くの日本人が私立の専門学校を卒業してスポンサーを見つけ、就労ビザを手に入れ、後に永住権を手に入れています。
僕もその内の1人です。
ただ、もし僕がカナダに渡航する前に就労ビザ取得の苦労と、ポスグラの事を知っていればきっと公立学校を選んでいました。
カナダもまだまだ移民を積極的に受け入れていますが、年々永住権の取得は厳しくなってきています。
そのことも頭に入れ、慎重に学校選びをしましょう。
↓【カナダ保育士ガイド】記事一覧↓
【カナダ保育士ガイド】⑦現場で上手くやって行くために知っておいて欲しい事
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KAI(World Map Japan 代表、マーケティング担当、ライター)
在住国:現在エストニア在住、過去カナダに5年間在住
海外歴:7年
今までに訪れた国:32カ国
話す言語:英語、スペイン語、エストニア語(勉強中)
資格:英検1級、TOEIC940
ひとこと:世界各国の全ての情報がこのサイトで閲覧できるよう日々活動していますので、どうぞ宜しくお願いします!