イギリスに移り住む前、私の知るイギリス人は夫だけでした。
果たしてイギリス人はどんな人たちなのか?
移住してわかったイギリス人の国民性や特徴、私が個人的に感じたことをレポートします!
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イギリス人を知るのに個人的にオススメの作品
イギリスに興味を持った時点で映画を見たり、小説を読んでみたりしてどんな国なのか夢見ますよね。
かくゆう私もダウントンアビーを全シーズン制覇し、ジェーン・オースティンの映画を見て焦がれました。
そしてふと思ったのです。
あれ、この物語に出てくる人たちって百年以上前の人達だと!
そうなのです。
どうしてもイギリスは歴史ある国だからこそ、昔のイメージがつきまとってしまいがちです。
ではどんなドラマがイギリス人ぽいのかな、と思い返したところ、私はベネディクト・カンバーバッチが出ている「シャーロックホームズ」が今のイギリスっぽいな、という気がします。
ロンドンの雰囲気も味わえますし、インテリアなども素敵です。
だいぶストーリー展開は非日常的ではありますが、それぞれのキャラクターが個性的なのは、イギリス人ぽいと思います。
「ラブ・アクチュアリー」などもたくさんのイギリス人俳優が出てくるので参考になるかもしれません。
イギリス人はやっぱり皮肉を言う?
よく言われるのがイギリス人は皮肉屋だ、なんて言葉ですが、確かに挨拶一つにしても現れています。
How are you? と聞かれても、大抵ポジティブな言葉を返しません。
何とか生きてるよ、雨さえ降らなければね、など簡単に良い返事はもらえません。
また、自分のことを持ち上げて話さないように思います。
そう言うところは日本人に多少似ているようにも思える点で、日本人もあまり家族の自慢をしないで卑下し、相手を持ち上げて話しますよね。
コメディ作品にしても「ミスタービーン」や「リトルブリテン」などは失笑するような作品が多くありますが、アメリカンコメディのような馬鹿馬鹿しさや大笑いする感じではありませんよね。
それがイギリス人の好みのようです。
イギリスのコメディアンのショーを見ていると、1人のコメディアンが舞台の上でマイク片手に滔々と語り、政治家や有名人を卑下したりして笑いをとっているのを見ます。
これはなかなか慣れるのに時間がかかるかもしれませんね。
イギリスは今も階級が残っている
以前日本からイギリスへの留学を考えた時に「イギリスでホームスティするのであれば、どの家に泊まるのかがとても重要。」と言われたことがあります。
どういうことだろう、とその時はあまりわからずにいたのですが、イギリスにはいまだに階級意識が残っています。
上流階級、中流階級、労働者階級 とそれぞれの階級をそれとなく人々は意識しています。
それは住むエリア、仕事、振る舞い、そして話し方を総合していますので、仕事や住むエリアなどによって日本人がどこまで階級の存在を感じるかはわかりません。
この現代でいまだに残っているなんて嘘じゃないかと思うかもしれませんが、実際にイギリス人の夫曰く、話し方一つで階級がわかり、対応が違ってくるそうです。
例を挙げると、いつも古典的な王室の映画作品に登場する俳優の話し方は上流階級です。
例えば、ダウントンアビーに出てくる会話はとてもポッシュでハイソサエティな話し方です。
ポッシュとは、上流階級のちょっとツンとした雰囲気で話す話し方のことをさします。
ちなみに、BBC(イギリス国営テレビ)イングリッシュは標準語とされています。
また、イギリスのフットボール選手やミュージシャンが話す英語は労働者階級に入ります。
一概にどの英語を習うのがいいかはなんとも言えませんが、サッチャー首相は中流階級訛りをトレーナーをつけて直したという話を聞いたことがあるくらいですから、イギリス人にとっては重大な問題なようです。
正直、イギリス英語に精通してこないとわからないことですが、日本人にはない感覚ですので知っておくことも大事かと思います。
イギリスにも方言&地方色がある
階級を感じる話し方の他に、イギリスにも方言があります。
南部と北部では発音が異なり、なれないと何を言っているのかわからないこともあるようです。
まるで沖縄と北海道の人が話すような感覚かもしれません。
私はイギリスに住み始めた当初、北部訛りの強い英語に苦労しました。
イギリス人の夫ですら、方言が強いと言っている事が時々わからない、と言っていました。
どうやら30以上の方言が存在するらしく、当然言葉が変わってくるとパーソナリティも違ってきます。
日本でも南北地方色があるように、イギリスも同様、南部は多少ラフな気質で、北部は頑固。
なんとなく日本に似てますね。
人種のるつぼと化しているイギリス
イギリスに来て、まさかトップハットをかぶって紅茶を飲んでいる人がいるとは思ってはいませんでしたが、思った以上にミックスカルチャーなことには驚きました。
アフリカ、インド、ポーランド、ルーマニアなど、EUに属していた時代に移民が多く入って来たようです。
日本人が抱いているイメージでは白人率が高いかもしれませんが、もはやそんなことはありません。
私は地方に住んでいて様々な人種が住んでいると感じているので、ロンドンあたりはまさにミックスカルチャーのはずです。
英語もいわゆるイギリス英語だけでなく、それぞれの母国語の色を強く残した英語があちらこちらから飛び交います。
驚いたのは、公共料金の電話対応などもかなり癖のある英語を話す人が対応していたりします。
自分の英語が日本語訛りなことなど気にしないで、どんどん溶け込もうと努力することが大事なような気がします。
日本人と似ているとも言える?
イギリス人を日本人は同じ島国だから国民性が似ている、と表現されることがありますよね。
確かにそれは感じます。
他の外国に行った時の違和感が、あまりイギリスでは感じられないのです。
例えば、レジに並ぶ時はきちんと一列に並びますし、どこが最後尾か確認してコミュニケーションを取ります。
道を歩いている時に譲ってくれたら「ありがとう」とあいさつを交わしますし、「sorry」と譲り合っているシーンは街中で、お店の中で、様々なシーンでよく見かけます。
これらのことは日本人にとっては当たり前のことなので居心地が良く、お店の人も無愛想でなく気持ちがいいです。
紳士の国イギリス
ドアを開けてくれる、先に譲ってくれるというのは、ロンドンのヒースロー空港についた途端から始まります。
エレベーターに乗るときも、女性が先に乗らないと男性は乗りません。
ドアも女性が先に通らないといつまでも待たせてしまいます。
また、男性と一緒に狭い歩道や通路を歩く時、人とすれ違う為に横並びから縦一列にならなくてはならない時は女性が先に歩きます。
これは男性が後ろを歩くことで女性の身の危険を後ろから察知することができるからのようです。
他にも譲り合いの心がありますので、日本と同じようにしていれば相手も親切にしてくれます。
また、歴史が長く地震が無いことで古い建造物が立ち並び、イギリス人は歴史や伝統を大事にしています。
伝統あるブランドや企業は長く愛されていますし、逆を言えば、変化を嫌います。
同じものをずっと使い続けたり、食べ続けたりすることに抵抗がありません。
上質な家具や靴を購入し、直しながら何十年と使い続け、次の世代に引き渡していきます。
ちょっとつまらないことといえば、イギリスでは何度スーパーマーケットに行っても大抵同じものが同じところにあり、新しいフレーバーなどに出会うことはあまりありません。
忘れてはいけないイギリスのパンク&モッズ魂
パンクミュージックやモッズカルチャーの発信はイギリスです。
自分たちの主張をし、個性的にエネルギーを爆発させる音楽やファッションのカルチャーを生み出した国民。
この心は今もイギリス人の心にあるのだと思います。
イギリス人を日本人が似ていると言いつつも、ここまで尖った文化を作らなかった日本人との違いを感じます。
だからこそ、日本人がいても受け入れてくれたり、一つの個性と思ってくれる国民性があるようにも思えます。
百聞は一見に如かず。
日本人にもいろんな人がいるように、イギリス人もいろいろです。
まずは現地で自分の目で見て見ることですね。
その際にこの情報を先に読んでおいて良かったと思ってもらえたら嬉しいです。
