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【世界を代表する芸術の街】
すでにご存知かと思いますが、やはりフランスの芸術に対する愛情のかけ方は桁違いです。
山手線の内側ほどしかないパリの広さに対し、数多くの美術館が点在しています。
王道のルーブル美術館やオルセー美術館はもちろんのこと、モロー美術館やザッキン美術館のような私邸を美術館として公開しているところもあります。
いずれにしても個性的で、訪れる価値のある美術館です。
特に昼間のルーブル美術館のモナリザ前などは混雑していて素通りでしか見れないこともありますので、水曜・金曜日の夜間開放日(21時45分まで)に訪れることをおすすめします(現在はコロナの影響により閉館中)。
ちなみにパリ在住の美術学生は入場料無料の美術館もあり、留学中はとても助けられました。
フランスの小学生が授業の一環で、本物を前に模写している姿を見ることもできます。
小さい頃から本物に触れることができるなんて羨ましい限りです。
また美術だけでなく、音楽に触れる機会も多々あります。
街中のテラスで食事をしていると屋外でジャズの演奏が始まったり、駅のホームや車内で歌っている人もよく見かけます(車内の演奏は見ていると後でお金を集めに来るので注意)。
個人的にパリ滞在中一番の目玉だと思ったのが、毎年6月21日に開催される「音楽祭(Fête de la musique)」。
パリの大通りまでもが閉鎖され、路上であらゆる種類の音楽の演奏を聴くことができます。
セーヌ川の橋の下でアンデスの民族音楽を聴いたかと思えば、隣でジャズの演奏、数歩歩けばロック…と言った感じです。
これが夜通し続き、友人や恋人とまたは一人でゆっくりと、食べ物飲み物片手に世界中の音楽を楽しむことができます。
もちろん無料です!
なぜこんなに楽しいイベントが日本ではそんなに有名でないのかが不思議なのですが、6月は航空券も安く、梅雨のジメジメした日本を出てカラッとした素晴らしい季節のフランスで音楽祭を楽しむのはとてもおすすめです。
もちろん映画発祥の地・フランスでは映画も盛んです。
パリでは日本よりも映画を安く見ることができ、夏には野外映画祭も開かれます。
【女性にとにかく優しい街】
二つ目は、特にパリは女性に優しい街であることです。
ここにはもちろんフランス人がラテン系民族で、女性にとにかく優しい!ということが含まれます。
スーツケースを持っていればどこからか男性が現れ階段を上がるのを手伝ってくれたり、扉を開けて待っていてくれたり、車内で座るのも全てレディーファーストです。
逆にこれに慣れると日本に帰ってからがきついです(笑)。
フランスに留学していた知人は、イギリスに旅行に行った後「ロンドンの人たちは本当に冷たかった…」とこぼしていました。
これもその時に出会う人によりけりで一概には言えないと思いますが、確かにラテン系の国からアングロ・サクソンの国に行ったらこのように感じるのもわかる気がします。
それくらいフランスは女性に優しいです。
【他の都市にはない女性的な街】
パリは先ほども書きましたが、とても女性的な街です。
それには柔らかいフランス語の響きも影響していると思います。
発音の美しさはもちろんのこと、歌っているようなリズムや女性のチャーミングな話し方もあり、フランスから英語圏に行くとズバっと断定されているようで「言い方きついなあ」と感じるほどです。
それに加え男性は優しく、やや女々しい感じの人が多いように感じます(笑)。
色の使い方もきれいです。
地下鉄に貼られている広告などでもパステルカラーだったり、ハッとするような色の組み合わせが多く、女性の目から見て素敵だな、と思う広告が多かったです。
そして蚤の市!
カラフルで個性的なボタンや可愛いホーローのポットや花柄の鍋等、女性がワクワクするような雑貨の宝庫です。
特にヴァンブの蚤の市がおすすめです。
【アラブ、アフリカなど世界中の文化が集まる街】
フランスは地理的にもアラブ・アフリカ諸国と近く、特にパリには多くの移民がいます。
アラブ人街、アフリカ人街もあります。
日本でも世界中の料理を食べることができますが、アラブ・アフリカ料理は地理的にも心理的にも遠いこともあり、あまり接点はないのではないのでしょうか。
でもフランスは違います。
特にアラブ料理である「クスクス」は今やフランスの国民食と言われているくらいです。
クスクスは小麦を原料とする食べ物です。
wikipediaより引用
余談ですが、私は留学中、ご飯代わりに毎日クスクスを食べていました。
なぜお米でなくクスクスなのか?それはとても調理が簡単で、しかも安いからです。
日本ではまだまだ安くはありませんが、パスタのように日持ちするので、購入してたまに食べたりしています。
調理はとにかく簡単で時短です。
沸騰したお湯の中にクスクスとオリーブオイル、塩を入れ数分待つだけでできあがります。
お米のように炊き上がるのに何十分も待つ必要がありません。
これに煮込み料理などを合わせたりしますが、クスクスとサラダ、スープだけの夕飯でも十分です。
アフリカ料理は更に日本人の舌に合うと思います。
中にはバナナを使った酸味の強い料理もありますが、トウモロコシやヤムイモを原料とするクセのない料理が多いです。
辛さもタイ料理や韓国料理のような激辛というのも少なく、香辛料は入っているもののマイルドな辛さで食べやすいのです。
それをカレーのような煮込み料理と一緒に食べます。
揚げた魚を付け合わせにすることもあり、これがまた美味しい!
フランスは宗主国であった西アフリカ出身者が多く、料理のほとんどは西アフリカ料理です。
セネガルの炊き込みご飯、チェプゼンなども食べることができます。
アラブ・アフリカ人街はフランス人の友人から「危ないから行かない方がいいよ」とアドバイスされました。
確かにアラブ人街のレストランに入った時は男性労働者のみで、入った瞬間から食べている間中ずっと視線を感じていました。
特にアラブ人男性は目が大きく、目力が強い人が多いのでひるみました(笑)。
アフリカ人街のレストランはもう少し明るい感じで、隣に座ったアフリカ人と友人になったりしましたが、それでもアフリカ人街にいるアジア系は目立つので、フランス人の友人の忠告のように気を付けた方がいいかもしれません。
それでもパリの街中にはマイペースでゆったりと歩くアフリカ人マダムがいたりして、歩くスピードの早いパリに流されている時に、「あ、そうだ、ゆっくりでいいんだ」という思いを呼び起こしてくれる存在でした。
彼女の周りだけアフリカの空気が流れていたのを覚えています。
【美食の宝庫〜チーズ、ワイン、フランスパン〜】
王道ですが、やはりチーズとワイン、フランスパンの美味しさには敵いません!
この3つを用意してセーヌ川でピクニックすれば、確実に楽しい時間を過ごせます。
パリのスーパーに入ってまず驚いたことは、チーズとワインコーナーの種類の豊富さです。
日本とは比べものになりません。
農業国フランスなので当然なのですが、チーズ好きからしたらたまりません。
個人的には苦手ですが、ヤギのチーズだけで何種類もあるほどです。
その中でも特に「Rebrochon」というサヴォア地方のチーズがクリーミーで、よく購入していました。
半円形の、クセがないチーズで、カマンベールが好きな方なら好きなのではないかと思います。
そしてもちろん日本では高価なチーズを安く手に入れることができます。
毎日美味しいチーズとフランスパンで食事です。
ワインはフランスに行くまではそんなに飲まなかったのですが、水のように安く売っていたので気づかぬうちに飲み慣れて、好きになってしまいました。
日本ではボジョレーヌーヴォーなどのタンニンが少なく渋みのないワインも好まれますが、フランスではやはりワインを飲み慣れている人が多いため、渋めのワインが好まれるようです。
ワインもたくさんの種類があります。
ちなみにロゼはフランスではほとんど見かけませんでした。
因みに、友人のホームパーティーにワインを持って行く時は要注意です。
ワインにはこだわりのあるフランス人が多いので、この料理にはこれ、と決めていることもあるのでせっかく持って行ってもそんなに喜ばれないこともあります(笑)。
「え、これ…」みたいな。
花束やチョコレートなどの方が無難かも知れません。
最後はフランスパン(バゲット)。
なぜフランスのバゲットはこんなに美味しいのか?
日本と気候が違うのが原因かと思っていましたが、どうやら小麦が違うようです。
とにかくできたてのバゲットは一度食べてみてください!きっとその場で食べたくなるはずです。
以上パリの魅力5点でした。

東京都生まれ。著書に「フランス留学失敗」(Amazon Kindle Store)。パリのデザインの専門学校に留学していました。パリで学んだことを生かし、現在デザイナーとして生活しています。留学中は辛いことも多かったですが、それでも実際に留学し、得たことは何ごとにも代えがたいです。もし留学に迷っている人がいれば迷わず背中を押してあげたいです!