ドイツのお隣、東ヨーロッパに位置するチェコ共和国。
「チェコってどこにある国なの?」と、あまり日本人からはまだ馴染みのないチェコ共和国。
実は、首都プラハの中心地には『建築博物館』と呼ばれるほどの美しい街並みが広がっており、1992年より街全体がユネスコ世界文化遺産に登録されています。
14世紀頃に建てられた後、戦争での大きなダメージを受けることなく今も尚美しいまま残されているチェコの建造物は、世界トップレベルの技術でした。
この記事では、そんなチェコの美しい歴史的建造物や有名スポットを9つご紹介していきたいと思います!
Contents
カレル橋/チャールズブリッジ(Karlův most)
プラハ旧市街地へと繋がるモルダウ川上に架かる橋で、1357年から1402年にかけてピーター・パーラーというドイツ人の建築家によって建設されました。
カレル橋の名前は、この橋建設の際に資金等を後援したローマ皇帝のカール4世が由来。
カール(Charles)は、チェコ語で「カレル」、英語では「チャールズ」と発音するそうだからだそう。
当時は、このカレル橋が西欧と東欧を結ぶ貿易ルートとして重要な役割を果たしていました。
旧市街地側の橋の塔は、ゴシック様式という12世紀以降中世ヨーロッパを中心に広まったデザインが用いられていて、大迫力の美しさです。
日中は観光客や楽器を演奏する人々で常に賑わっています。
ビデオ・写真撮影をするのはもちろん自由ですが、その際はチップを払ってあげましょう♪
似顔絵を描いてくれるアーティストやお土産も販売しています♪
3人分で900czk(約4500円)だったと思います。
夕暮れ時のカレル橋。
日没後はライトアップされてまた美しいですが、日没寸前のカレル橋は幻想的でまた一味違ったオーラを放ちます。
<アクセス>
・メトロA(緑色)Staroměstská駅(スタロムニェスツゥカー)より徒歩7分
・メトロA(緑色)Malostranská駅(マロストランスカー)より徒歩8分
・メトロA(緑色)またはB(黄色)Můstek駅(ムーステック)より徒歩13分
プラハの天文時計(Pražský orloj)
プラハの旧市街広場にある天文台は、現在も稼働している天文時計の中で世界一大きい天文時計です。
チェコ人で数学・天文学者だったヤン・シンデルと、時計職人であるミクラシュによって1410年に製作されました。
この天文時計には現在の太陽や月、12星座の位置なども表されています。
日中は太陽の位置を示す部分が時計背景の青色部分に、夜間は黒色の部分に、明け方などは背景の赤い部分に位置するような構造になっています。
じっくり見れば見るほど、あなたもこの天文時計の魅力へと吸い込まれていくでしょう。
<アクセス>
・メトロA(緑色)またはB(黄色)Můstek駅(ムーステック)より徒歩6分
プラハ城/フラッチャニ城(Pražský hrad/ Hradčany)
プラハ城は、世界最大・最古のお城で870年に現在のプラハのフラッチャニ(Hradčany)へ建設されました。
870年って…昔すぎて想像しずらいですが日本だと「貞観時代」にあたります。
日本の平安時代の初期、遠く離れた国チェコでは既にこんなに立派なお城が建設されていたんですね。
プラハ城の正面ゲート(写真)↓
城内は、3つの中庭、聖ヴィート大聖堂、火薬塔、聖イジー教会、ジュンベルク宮殿など複数の建物が集合してできていて、さすが世界最大級の城としてギネス登録されているだけあります。
現在は、チェコの大統領府がプラハ城の敷地内に置かれています。
敷地内で有料エリアもありますが、普通に城内を観光するぶんには無料で楽しめるので、プラハを訪れた際は是非立ち寄ってみて下さい。
プラハ城の正門正面にあるフラッチャニ広場から展望できるプラハの街並みがとても美しいです。
<アクセス>
・メトロA(緑色)Malostranská駅(マロストランスカー)よりトラム22番→Pražský hradで降車
・メトロA(緑色)Malostranská駅(マロストランスカー)より徒歩10分
<入場料>
無料 ※2021年7月現在
聖ヴィート大聖堂
プラハ城の敷地内にある聖ヴィート大聖堂。
「ボヘミア(現在のチェコ中部~西部)を征したものは、ヨーロッパを征する」と言われていた時代の多くのボヘミア王の墓がここに眠っています。
カレル橋同様ゴシック様式の建築様式が用いられていて、チェコで最大の教会です。
88メートルもある塔や99メートルにも及ぶ鐘楼を含む大聖堂は、写真では伝えきれないほどの大迫力です。
普通のカメラでは収まりきれないほどの大きさで、私はiPhoneのパノラマ機能を使って撮影しました。
それでもまだまだ収まりきらないほど巨大なので、実際に来て見ただいてこのチェコで最大級の大聖堂を目の当たりにしていただきたいです!
聖ヴィート大聖堂の内部(写真)↓
内部は様々なステンドグラスで彩られています。
聖ヴィート大聖堂のダイナミックな体貌とかつて偉大なるボヘミア王たちがこの場所で築いてきた歴史を存分に感じられると思います。
<アクセス>
・メトロA(緑色)Malostranská駅(マロストランスカー)よりトラム22番→Pražský hradで降車
・メトロA(緑色)Malostranská駅(マロストランスカー)より徒歩10分
※プラハ城の敷地内にあるので、プラハ城に行くルートと同じになります♪
<入場料>
無料 ※2021年7月現在
ストラホフ修道院(Strahov Monastery)
神学の間(写真)↓
プラハの中心地にあるストラホフ修道院は、ヨハネ司教であるジンドリック・ズディクと初代ボヘミア王のヴラジスラフ2世によって1143年に創られました。
修道院内には「神学の間(Teologickýsál)」「哲学の間(Filosofický sál)」と呼ばれる世界一美しいと言われる図書館があり、その美しさに見る者の心を奪います。
ここには3,000以上の写本と、200,000を超える巻き物が保管されているのだそう。
哲学の間(写真)↓
修道院の敷地内にはなんとビール好き必見の「ストラホフ修道院醸造所(Strahov Monastery Brewery)」というビアガーデンがあります。
この場所で600年以上前に製造され愛され続ける伝統の自家製ビールは「サンノルベルトビール」。
その他にもたくさんのビールが、美味しいチェコ料理と共に提供されています。
「チェコの歴史的建造物も、美味しいビールもどっちも楽しみたい!」という方は、是非ストラホフ修道院に足を運んでみてはいかがでしょうか?
<アクセス>
・メトロA(緑色)Malostranská駅(マロストランスカー)よりトラム22か23番→Pohořelecで降車
<入場料>
- 図書館 大人 120czk
- 子供または65歳以上 60zk
- ひと家族で入場する場合 200czk
- (管内の写真撮影希望者は+50czk)
※2021年7月現在
ヴィシェフラット(Vyšehrad)
ヴィシェフラッドは、10世紀後半頃プラハのモルダウ川沿いに建てられた城で「Vyšehrad=高い城」という意味があります。
しかし、15世紀に中央ヨーロッパで起きたフス戦争によって「ヴィシェフラッドの戦い」が勃発し、当時プラハから独立して政権を持っていたヴィシェフラッドの街はそのほとんどが破壊されてしまいました。
後に城内にあった「大聖堂聖ぺテロ・パベル教会」は再建されましたが、城の再建は行われませんでした。
敵から城を守るために作られた要塞や城門は、整備されつつ当時のまま残されていて、独自の勢力を持っていたヴィシェフラッドの様子が伺えます。
その後、1883年にプラハとヴィシェフラッドの街は統合されました。
このヴィシェフラッド、実は私のプラハを訪れたら絶対に訪れてほしい場所No.1になります!
その理由は、
ヴィシェフラッドから見られるこの絶景↓
特に日没間のヴィシェフラッドからの街並みは見ものです!
モルダウ川がキラキラと輝いて、その昔ヴィシェフラッドの街を征していたボヘミア王もこの場所でこの景色を見ていたのか…と、不思議な気持ちになります。
ヴィシェフラッドから望める街並み(写真)↓
<アクセス>
・メトロC(赤色)Vyšehradより徒歩6分
<入場料>
無料 ※2021年7月現在
ダンシングハウス(Tančící dům)
建築物大好きな方には必見のプラハにあるダンシングハウス。
1996年に、クロアチア系チェコ人の建築家ウラド・ミルニッチとカナダ系アメリカ人の建築家フランク・ゲーリーによって建設されました。
カップルがからだを抱き寄せあってダンスしているように見えるその様子から「ダンシングハウス」と呼ばれていますが、正式名称は「ナショナーレ・ネーデルランデン・ビル」。
上階はレストランになっていて、360度プラハの街並みを楽しむことができます!
ヴィナルナ・チェルトフカ(Vinarna Certovka/narrowest street)
「ヨーロッパの狭いストリート」にランクインしているこの狭い道。
その横幅はなんと50cm!
その道を抜けた先には、川沿いから美しい風景を楽しめるレストラン(Restaurace Čertovka)があり、チェコの伝統フードやビールを楽しめます。
道幅が50cmしかなく人がすれ違えないので、ここを通る人々のためにしっかり信号機も設置してあります。
知る人ぞ知る隠れ観光名所なので、プラハを訪れた際には是非ヴィナルナ・チェルトフカを訪れてみてください!
ヴィナルナ・チェルトフカの入り口(写真)↓
ペッツ・ポツ・スニェズコウ(pec pod sněžkou)
ここまで首都プラハの魅力ばかりお伝えしてきましたが、「プラハ以外も楽しみたい!」「他の日本人が訪れていないような穴場スポットを訪れたい!」という方に絶賛おススメなのがこのペッツ・ポツ・スニェズコウ。
欧米人にはスキーリゾート地や避暑地として名の知れる人気観光スポットなのですが、日本人がほぼいないのがまた魅力のひとつ!
街は、日本の那須高原や軽井沢に近い雰囲気があると思います。
有名スポーツショップやレストラン、ホテルが並んでいます。
夜のペッツ・ポツ・スニェズコウ(写真)↓
観光客向けにホテルやコテージもたくさんあって、ハイキングコースやスキーコースも車ですぐです。
場所はポーランドとの国境付近。
プラハからバスで3時間ほどで到着できるので、チェコの大自然を楽しみたい方には是非訪れていただきたいです。
<アクセス>
・プラハČerný most駅(チェルニーモスト)から所要時間約3時間
メトロB(黄色)Černý most駅(チェルニーモスト)降車でバス乗り場へ
1または3番バスでpec pod sněžkou(ペッツ・ポツ・スニェズコウ)降車。
200czk(約1,020円)
Černý most駅(チェルニーモスト)から各地への高速バスは、駅の改札口から外に出たところに地下へ向かう階段があって、そこにバスターミナルがあるので比較的わかりやすいと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。
この記事ではプラハの有名な観光スポットからチェコ内の穴場スポットまでチェコの魅力的な場所をご紹介させていただきました。
その昔から長い歴史を刻んできたチェコには、他にもまだまだ知られざる魅力がたっぷりと詰まっているので、是非是非人生で一度は足を運んで体験してください!
