シンガポールでの住居について ※2021年S$1約82円
シンガポールは綺麗、温かい、近代的、近隣諸国に気軽に行ける、税金の優遇処置があるため多くの外国人が移住しています。
物価が高いシンガポールですが、特に高いのは家賃です。
居住は大きく分けて2種類、シンガポール人向けに政府が用意しているHDBと呼ばれる公営集合住宅と、コンドミニアム(コンド)と呼ばれる外国人向けのマンションです。
高温多湿で、製造のクオリティは日本ほど高くないこともあり、老朽化のスピードは早く値段の割には・・・と、思うところもありますが、今回の記事では気になるシンガポールの家賃相場をご紹介していきます。
HDB
シンガポール人の8割が住んでいるのがHDBと呼ばれる公営集合住宅です。
一つのHDBに国籍が偏りすぎないよう、中華系何%、マレー系何%、インド系何%というように、住人の国籍の割合が定められています。
HDBの特徴は、コンドに比べると多少家賃が安いこと。
ただし、その分郊外にあり、狭い(ベランダがないため、洗濯物干し竿が窓から出ている。)、設備も揃っていない場合が多いです。
外国人は直接契約ができないので、シンガポール人か永住権を持っているオーナーから借りる事になります。
内装にこだわっているHDBもあるので、そこはオーナー次第でしょうか。
HDBは群自体が一つの町のようになっていて、ホーカー等の飲食店、スーパー、コミュニティセンターがあり、その中で充分生活はできるようになっています。
コンドミニアム(コンド)
外国人向けの高級マンションがコンドミニアム(コンド)になります。
綺麗、セキュリティ常駐、プール、ジム、BBQ施設、テニスコートがついています。
オーチャード(シンガポールの銀座)、ベイエリア(マリーナベイサンズがある一帯)等の繁華街だと、1人用コンドで約3,000ドル/月~、家族用で4,500ドル/月~が相場です。
(あくまで最低金額)全体的に景色が良い高層階になると値段は上がります。
シンガポールでは東南アジア人のメイドさんを雇っている家庭も多く、メイドさんは基本、雇い主と同居していて、メイドさん用の部屋があるコンドもあります。(余談ですがメイドさんは日曜日がお休みで、それ以外は雇い主家族と同じ生活をしています。)
少し繁華街を離れると値段は下がりますが、それでも1人用で約2,000ドル/月~、家族用で3,500ドル/月~といったところ。
日本と同様、繁華街の方が高値で狭く、郊外に行くほど安く、広くなります。
ただ繁華街の家の部屋が狭いといっても、日本の1人暮らし用の一部屋のアパートよりは広く、リビング+ベッドルーム+バストイレの間取りか、スタジオタイプが一般的です。
シンガポールに長期で滞在できるIDがないと賃貸契約が結べません。
ID発行には、申請から3週間から1ヶ月半かかるので、それまでは知人の家や、サービスアパートと呼ばれるキッチンや洗濯機が付いたホテルに滞在するケースが多いです。(3で詳しく記載)
家を決める際は、オーナー側と借主側双方に代理人(エージェント)がつく場合が多く、エージェント間で交渉が行われます。
エージェントに希望の値段やエリアを伝え、物件を絞って内覧を行います。
高温多湿のシンガポールはゴキブリ天国のため、なるべく中層階以上、ダストシュート(建物備え付けのゴミ箱。捨てたごみはそのまま筒を通って下まで落ちる。)が室内にない部屋を選ぶ(ついている場合はガムテープで扉をふさいで使用しない)事は、よく言われている部屋を選ぶ時のポイントです。
また、建物の1フロアに1つしか部屋がないため、エレベーターを降りるとすぐ自室というタイプのコンドもあります。
自分がボタンを押さなければ、そのフロアにエレベーターは停まりませんが、誰かが一緒に乗ってきた時に室内が丸見え、女性だとセキュリティの問題もあったりするので、主観ですがあまりお勧めではありません。
IDを取得してどの家に住むか決めたら契約を結びます。
シンガポールでは定期的に、エアコン掃除点検を行うことが法律で決められていて、その費用をオーナーが負担してくれる場合、新しいコンド家であれば家具は好きなものを選んで購入して、上限までオーナーが負担してくれる場合、光熱費を一部家賃に含んでいる場合など様々なケースがあるため、契約書はきちんと読む事をお勧めします。
契約を結ぶ際は、翌月分の家賃とデポジット(保証金、2-3か月分の家賃。破損がなければ退去時に返金してもらえる。)、印紙税を支払います。
家賃自体が高値なのである程度まとまった金額を用意しておくことが必要になります。
鍵の受け渡しは双方の代理人(エージェント)と借主が立ち会い、部屋の状態をチェックしていきます。
部屋の鍵、コンド自体に入るカードキー、郵便ポストの鍵等いくつか種類があるので鍵の状態もチェックして下さい。
余談ですが、コンドの警備員(コンドによっては+管理人がいることろもあります)セキュリティは、カードキースペアは持っていますが、部屋に入るカギのスペアは持っていませんので紛失にはご注意を。
↓手前がHDB、奥がコンドの外観
↓コンドのプール
サービスアパートメント
ホテルにキッチン、洗濯機がついた場所をサービスアパートメントと呼びます。
新居を見つけるまでの仮住まいとして住む人も多いですが、ID等がなくても宿泊し続けられる、定期的な清掃、朝食付きなのでそのまま住み続ける人も中にはいます。
ホテルやコンド同様、プール、ジム、BBQエリアはついているので何不自由なく生活はできますが、1泊300-400ドル以上、最低宿泊日数が1週間以上のところが多く、アパートによっては1ヵ月契約必須の場合もあります。
長期になればなるほど若干割安にはなりますが、それでもHDBやコンドに住むよりはかなり割高にはなります。
ルームシェア
HDBとコンドの中間が残念ながら存在しないので、ルームシェアで家を借りている人もいます。
様々なサイトで募集がかかっているのでそこから選んでコンタクトをとります。
私は以前同様に家賃の高いシドニーでルームシェアをしていました。
シドニーでは1つの部屋に6-7人をつめこんでルームシェアをさせる悪徳オーナーの話をよく聞きます。
シンガポールではさすがにそこまでひどい状態ではなく、2ベッドルーム以上のHDBやコンドに2-3人で住むのが一般的です。
個人に部屋は割り当てられ、キッチン、バス、トイレなどが共有なことが気にならない人であれば、家賃を頭数で割るので一人暮らしよりは安く住むことができます。
最後に
如何でしたでしょうか?
シンガポールは国土が狭いこともあり家賃は決して安くはありません。
駐在員は大体家賃補助があるので、オフィスに近いコンドに住んでいる人が大半ですが、現地採用や学生の場合は、少し郊外のコンドやシェアハウスが一般的です。
家を選ぶ時は、治安はどこも大差なく安定しているので、家賃と立地が大きなポイントになってきます。
家賃は上述の通りですが、立地に関してはスーパー(ローカル?日系?)が近いところがいいのか、自然が多い方がいいのか、雰囲気がいいところがいいのか、勤務地が近い方がいいのか、家族連れの場合は子供の学校が近い方がいいのか、色々人によって視点が異なります。
学校1つにしてもシンガポールにはチャンギ空港の近くと西側のクレメンティの2か所に日本人学校があり、まったく学校の雰囲気が違うと聞きます。
それぞれ学区で分かれているので、事前に情報を収集して自分たちにあった校風を選び、学校付近のエリアに住むと判断しても良いかと思います。
住む場所は生活の大きな基盤となるので、是非自分に合った快適な家を見つけて下さい。

初めまして、yokoです!
現在はシンガポールにて、MICE系の仕事をしています。
学生時代にアメリカ、社会人になってからシドニーにも少し住んでいたことがあるのですが、
シンガポールはかなり独特な国で、今まで訪れたどの国よりもカルチャーショックを感じる事も多いです。良くも悪くも、かなりきっちりしている国ですね。
シンガポールに実際に住んでみて感じた魅力をお伝えできればと思います!